巨人の今後を占う9連戦が開始、及第点は何勝か…気がかりはエース戸郷と4番の岡本【柴田勲のコラム】
同一カード3連敗だけはダメ
巨人にとって今シーズンの行方を占う9連戦が始まる。
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6日から東京ドームに広島を迎え、中日が待つ名古屋に遠征して、12日から阪神が東京ドームに乗り込んでくる。現在、首位は広島だが、2位・巨人、3位の阪神まで1.5ゲーム差でひしめき合っている。
前回の今コラムではこの3チームにDeNAを加えた“四つどもえ”の争いと記したが、DeNAは阪神に6ゲーム差の4位と後退、秋にゴールテープを切るのは、この3チームに絞られたのではないか。
巨人、阪神に3タテされたのは大きなダメージだった。7月30日の第1戦、6回に中川皓太が大山悠輔に3ランを浴びた。これが阪神を勢いづかせた。いや、眠っていた虎を起こしたと言っていいだろう。巨人にすればまだ1点差だった。どうなるか分からない展開だった。
阪神は勢いに乗って3連勝、逆に巨人は山崎伊織、フォスター・グリフィン、戸郷翔征の表3本柱で敗れた。首位固めを狙い、また抜け出すチャンスだった。
優勝を逃したら、あの3連戦で一つでも勝っていたらとなるかもしれない。いまの時期、同一カード3連敗だけはダメだ。ことに広島、阪神に許したら致命傷になりかねない。
菅野は勝ち星の上積みが期待できそう
投手陣では戸郷が気がかりだ。エースが7勝6敗だ。昨年に比べると迫力がない。ストライクとボール球がハッキリしている。夏バテなのかな、覇気がないようにも映る。
戸郷がいい時は外角低めの真っすぐでストライクを先行させて打者を追い込み、落差のあるフォークで打ち取る。
いまはボール球が先行している。追い込むからフォークが効くのであって、ボール球が先行となると打者は振ってくれない。スライダー、カーブを多投しているけど、まずは真っすぐの精度を上げることだ。
逆に菅野智之はその外角低めの真っすぐでストライクを取れるようになってきた。球にも勢いがある。3連勝でリーグトップタイの10勝を挙げているが、この3試合は外角低めへの投球が効果的だった。
外角低めへ投げれば打者はまず振らない。ポーンとストライクを取って打者をジワジワ追い込む。カーブ、シュート、フォーク、そして得意のスライダー…多彩な変化球がそこで生きてくる。これからの菅野は勝ち星の上積みが期待できそうだ。
打者では岡本和真、それなりに打ってはいるが、状態はあまり良くないとみた。いまは投手の球速が上がっているけど、狙っていた高めの真っすぐを空振りしている。
これはどうか。スイングに迫力がない。ダラダラと振っている感じだ。腰を切ってパーンとバットを振る。前さばきができていない。それでも岡本和が打てば打線は活気づく。打線のカギを握るのは主将の岡本和だ。
坂本勇人がやっと状態を上げてきた。打球が上に上がるようになった。スイングも良くなってきた。
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