「ゲスい不倫してるんじゃねえ」と妻もドン引き… 46歳夫が謳歌した“浮気ライフ”の全容

  • ブックマーク

「モラハラ」チックな彩菜さんの夫

 いっときの情熱がおさまっても、奏汰さんと彩菜さんは会い続けた。会ってお互いを確かめ合うときだけが「私が私でいられる時間」と彩菜さんは言った。彼女の夫は暴力をふるうわけではないが、いちいち恩着せがましいのだという。

「感謝を強要されるらしい。娘さんがバレエを習っているんですが、ときどき『誰がバレエを習わせてくれているのかな』と言う。娘が『パパ』というと、夫はそれで、と促す。『パパ、ありがとう』と言わせたいわけです。彩菜は生活費を夫から手渡しされるとき、正座して受け取ると言っていました。うちは共働きで、お互いの収入もガラス張り。正座して生活費を受け取ることを想像すると、なんだか胸が苦しくなりました」

 経済的には恵まれた家庭だと思っていたが、彩菜さんが自由になるお金はほとんどないこともわかった。だからデートのときは、彼女を豪華なランチに招待したり、帰り際においしいケーキを買って渡したりもした。たまに夜、会うことができるときは彼女の食べたいものを聞いてレストランを予約した。

「彼女の笑顔を見られれば幸せだった」

 週末はなるべく自宅で家族一緒に過ごしたが、そんなときも彩菜さんがつらい思いをしているのではないかと心苦しくなることもあった。家族といるときに恋人のことを考え、恋人といるときに家族を思うのが、男性の不倫の脇の甘さでもある。

さすがに疑われ始め…

 1年ほど前、彩菜さんの娘が父方の実家に数日間、ひとりで遊びに行くことになり、その間、彼は彩菜さんと母親を連れて花火を見に行った。少し離れたところに車を止めての鑑賞だったが、彩菜さんの母親はひどく喜んでくれた。

「あなたたち、ふたりとも離婚して一緒になればいいのにと母親に言われたんですよ。そうすれば彩菜ももう少し、自分らしく生きられるのにねって。彩菜は『何言ってるのよ、ご迷惑でしょ。私たち、友だちだから』と慌てていましたが、母親は『いいよ、そんな嘘つかなくても。奏汰さん、この子をよろしくお願いしますね』って。なんだか僕も泣けてしまって……」

 その1ヶ月後、母親は亡くなった。親戚もおらず、夫は葬儀にも無関心。しかたなく、奏汰さんは友人として通夜と葬儀を仕切った。そしてそれを不審に思ったのが、彩菜さんの娘だった。

「娘ももう中学生になっていますから、小学校の同級生だった子の父親が、どうして祖母の葬儀を仕切っているんだろうと思ったでしょうね。彩菜は僕を葬儀屋さんと言い張っていましたが、ちょっと無理がありました」

 噂が噂を呼んだのか、妻から突然、「彩菜って誰」と言われ、奏汰さんはあわてふためいて「知らない」と言ってしまった。翌日、帰宅すると、妻の隣に奏汰さんの父親がいた。娘たちは母が外食に連れ出したという。

「どうしたのと聞いたら、父親が『智花さんに謝れ』といきなり高飛車に言ったんです。今さら親にあれこれ言われる年齢でもない。ムッとしていると父が『妻子を裏切って楽しいのか?』と。智花に『親を巻き込むなよ』と言うと、『そういうつもりじゃないんだけど』と。どうやら親たちが噂を聞きつけて智花を問いただしたみたいで。いったい、どういう噂が駆け巡っていたのか、僕にはまったくわからないんですが」

 彩菜さんの娘が友だちに相談し、その友だちが親に話し、噂が広がっていったのだろう。奏汰さんは両親からどうするつもりなのか問い詰められ、「相手と別れる」と言わざるを得なかった。

「僕自身は別れる気などなかったけど、その場はそうやって逃れるしかなかった。彩菜に連絡をとろうとしたけど携帯がつながらなくて。夫にバレたんだと思う」

次ページ:「ゲスすぎるでしょ」

前へ 1 2 3 次へ

[2/3ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。