「脅されて結婚したようなもの…」恐妻に隠れて不倫する46歳夫が選んだ、“よりにもよって”の相手とは

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【前後編の前編/後編を読む】「ゲスい不倫してるんじゃねえ」と妻もドン引き… 46歳夫が謳歌した“浮気ライフ”の全容

 本来、不倫に「いい不倫」と「悪い不倫」があるわけではない。された側からみれば不倫は不倫であり、裏切り行為だと思う人が大半だろう。だが客観的に聞いていると、不倫ひとつにも「人としての品格」があるような気がしてならない。

「そういうものなんですかね。だから妻はあんなふうに怒ったのかな。よくわからないですけど……」

 他人事のようにそう言うのは、大野奏汰さん(46歳・仮名=以下同)だ。中肉中背、マッチョなタイプではない。ただ、どこか色気が漏れてくる。そんなタイプの男性だ。

「僕はダメ男」「家庭がほしかったわけでもない」

 知人から「こいつ、どうしようもないから説教してやってほしい」と言われ、奏汰さんに会うことになったのだが、どうしようもないという荒んだ感じはない。にこやかで飄々としており、仕草やまなざしが繊細な感じだ。

「結婚してから本当に好きになった人と出会っちゃったんですよ。気持ちを抑えきれずにつきあい始めた。離婚も考えたけど、僕にも彼女にも家庭があって子どもがいる。もめごとも嫌だし、じゃあ、恋愛は恋愛として成立させようと。最初はそんな感じでした」

 結婚したのは30歳のとき。相手は学生時代から、「くっついたり別れたり」しながらも縁が切れなかった智花さんだ。奏汰さんは、変わらずぐずぐずとした関係を続けていこうと思ったいたが、ある日「妊娠した。私は産むけど、あなたはどうする?」と聞かれた。

「すごい言い方でしょ。智花はそういう女性なんです。そう言われれば、結婚しますとしか答えようがなかった。結婚生活も彼女の言うがまま。共働きだからと家事も育児もやりました。というか、やらされたというか」

 彼はため息をついて見せながら苦笑した。そして「もうわかってると思うけど」と言い置いて、「僕はダメ男なんですよ。子どもはかわいいけど、あなたは父親としての責任をどう思ってるのなんて妻に言われると、げんなりして何もかもどうでもよくなっちゃう」とつぶやいた。

「もともと家庭がほしかったわけでもない。智花に脅されて結婚したようなもの。ずっとそういう思いが消えないんです。ただ、智花は本当に努力家で一生懸命がんばってきた。学生時代からのつきあいでそれを知っているし、彼女のトラウマについても承知しているから、僕は彼女には逆らえないんです」

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