「どうして攻めてるのに反則負け?」パリ五輪「柔道」で相次ぐ炎上騒動…日本人が理解できない「JUDO」への違和感

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 柔道とJUDOが違いすぎる。JUDOは面白くないし、不可解な判定が多い──。こんな不満の声が、ネット上に溢れた。パリ五輪で柔道は7月28日から8月3日まで開催。批判が殺到した原因となった試合の一つに、7月29日に行われた男子73キロ級の準々決勝が挙げられる。(全2回の第1回)

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 準々決勝では日本の橋本壮市とフランスのジョアン=バンジャマン・ガバが対戦。結果は橋本の反則負けとなったのだが、この判定にネット上に多くの異論が投稿された。担当記者が言う。

「試合は延長戦に突入すると、1分21秒には橋本に2つ目の、2分14秒にはガバに1つ目の指導が入りました。指導3つで反則負けですから、後のない橋本は2分28秒、ガバと組んでいた右手を切って前に踏み込みました。ここで審判が『待て』をかけ、橋本は3つ目の指導を受けて反則負けとなったのです。この判定にXでは『おかしい』という投稿が相次ぎ、その多くが『橋本は果敢に攻撃していたのに、ガバは常に消極的だった。なぜ橋本が反則で負けなければならないのか』という疑問の声でした」

 ルールでは組手を切った場合、すぐ組み直す必要がある。だが専門家の間でも橋本の敗退に対する見解は分かれた。

「橋本の反則負けはルール通り」と審判を擁護する意見もあったが、一方、「そもそも論として、偽装攻撃の目立ったガバに対する指導が1つだったのはおかしい」と審判を批判する意見も少なくなかった。これがXになると「ガバは最初から橋本の反則負けを狙っていた」という根拠不明の指摘まで乱れ飛んだ。

鈴木桂治監督の即答

 7月31日に行われた男子90キロ級の決勝戦でもXは荒れた。日本の村尾三四郎とジョージアのラシャ・ベカウリが対戦。残り1分を切ってから村尾が内股で技ありを取ったように見えた。が、審判は認めなかった。すると残り4秒でベカウリが技ありを決めて村尾は敗退した。

 テレビ中継で解説を担当していたのは大野将平氏。リオ五輪と東京五輪の男子73キロ級の金メダリストだ。大野氏は村尾の内股は「ほぼ技ありだったと思います」と指摘。Xも同じ見解で埋め尽くされた。

 だが全日本男子の鈴木桂治監督は試合後に取材に応じ、村尾の内股について質問されると「今回のパリ五輪、5日目までの審判の傾向を考えると、あの状態ではポイントを取っていない印象」と即答した。ベカウリが両手ではなく片手しか着かなかったことを指摘し、「村尾の詰めが甘かったか、ベカウリが強かった」という試合だったと総括した。

 少し古い記事だが、2008年8月に北京五輪が開催されることを踏まえ、産経新聞は同年3月に企画「【五輪 ニッポンの敵】」を連載した。8日の朝刊には「お家芸 不可解判定に四苦八苦」との記事を掲載した。

 記事では、日本人はお家芸の柔道やレスリングで「技をかける」こと自体を評価する傾向があるのに対し、外国人の審判は「返し技」を優位に判定すると指摘。当時の日本柔道のエースだった鈴木桂治氏や井上康生氏が相手選手を投げても、返し技を重視した判定が下って試合に敗れたことを伝えた。

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