「環境のためなら暴力もかまわない」 「シー・シェパード」創設者が逮捕 潤沢な資金の出所とエコテロリストの実態
2010年の容疑で国際手配
林芳正官房長官は、反捕鯨団体「シー・シェパード」の創設者で元代表のポール・ワトソン容疑者の身柄引き渡しをデンマーク政府に対し求めたことを明らかにした。ワトソン容疑者は2010年、日本の調査捕鯨船に対する妨害行為の容疑で、インターポール(国際刑事警察機構)によって国際手配されていたが、7月21日、デンマークの自治領・グリーンランドで警察に拘束されていた。反捕鯨団体を超えたエコテロリストとしても悪名高いシー・シェパードの年貢の納め時となるのだろうか。
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カナダ国籍のワトソン容疑者はもともと国際環境保護団体「グリーンピース」に所属していたが、これを脱退した後、1977年にシー・シェパードを設立した。アイスランドやノルウェーの捕鯨船を体当たりで沈没させるなど過激な行動で知られ、反捕鯨のためなら暴力行使もいとわないスタンスから環境テロリストとも呼ばれている。2005年からは南極海での日本の調査捕鯨を妨害するようになった。
デンマーク政府は
近年、環境保護などを求めて過激な主張を展開する運動家としては、グレタ・トゥーンベリさんが有名だが、ワトソン容疑者らはそうした活動の“元祖”とも言えるだろう。彼らのような「環境保護原理主義」的な運動家たちは、一般的な科学常識や社会常識をいくら説かれても耳を貸さない。自分たちの主義と環境のためなら破壊活動も辞さないのが特徴である。
海上保安庁は2010年、日本の調査捕鯨船団の航行を妨害した事件に関連して傷害と威力業務妨害容疑でワトソン容疑者の逮捕状を取り、日本側の要請を受けた国際刑事警察機構が国際手配を行った。それから14年後の今年7月21日、ワトソン容疑者は日本の捕鯨船「関鯨丸」の操業を妨害すべくグリーンランドを訪れたた際、警察に身柄を拘束された。
林官房長官は会見で、身柄引き渡しに関して現時点でデンマーク政府から返答はない旨を明かしている。
ワトソン容疑者の身柄に関しては、フランスのマクロン大統領が身柄を日本へ引き渡さないようデンマーク政府に働き掛けるなど、「反捕鯨」を基点に釈放の声が高まっているとされる。
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