「立場の弱い子にも心配りができる子やった」 バレー男子「高橋藍」の恩師が明かす“素顔”【パリ五輪】

スポーツ

  • ブックマーク

バレーで結果を出しても謙虚だった

 藍の出身校、京都の東山高校バレー部の豊田充浩総監督も、

「私はバレーの監督だけではなく、高校3年間担任もやっていましたが、どんなにバレーで良い結果を出しても偉そうにしたり横柄になったりすることは全くなく、謙虚に学校生活を送っていました」

 と、こう述懐する。

「最初に彼のことを認識したのは中学1年の時。彼のお兄さんがバレーボールをしていて、うち(東山高校)で合同練習をやる機会があって、その弟さんとして、です。背丈は大きくないけど、球さばきというか、バレーのセンスがすごくある子だな、と。その後も折に触れて見ていく中で、守れるし、打てるし、センスも抜群ということで、スカウトさせてもらいました」

 2年までは全日本バレーボール高等学校選手権大会(春高)に出場できなかったが、キャプテンとして臨んだ3年の時に出場を果たし、優勝。高校MVPに選出され、2020年度日本代表登録メンバーにも選ばれた。

「石川(祐希)くんの対角を務められる選手がいないというのが、長らく日本の課題でした。打てても守りが不安定とかね。そこへ、サーブレシーブが安定していて守備力があり、スパイクセンスもあって、という高橋藍が現れた。念願の石川の対角が出てきたわけです」

 と、豊田氏は言う。

「守備も攻撃力も高校の頃から群を抜いていました。ただ、代表に入って世界を体験した後、あとどれくらい攻撃力を上げられるかというのが課題でした。それでイタリアに行き、世界の高さに対抗できるスパイク力を身に付け、体つきも大きく力強く変わりました」

 実力も人気も世界レベルの高橋藍。今後の活躍から目が離せない。

週刊新潮 2024年8月8日号掲載

特集「『パリの憂鬱』から『歓喜』へ “花の都の五輪”で凱歌をあげられるのか」より

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。