夏の甲子園を逃した「ドラフト有望株」を一挙掲載! 高校生トップクラスの好投手にスカウト陣も驚愕
7月29日までに、夏の甲子園全国49代表校が出揃った。その一方で、地方大会で敗れたチームのなかにも、今秋のドラフト会議で指名が有力視される選手は非常に多い。今回は、夏の甲子園では見られない有望株を取り上げたい。【西尾典文/野球ライター】
※文末に【夏の甲子園を逃したドラフト候補一覧】を掲載!
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山下舜平大と比べても、遜色ない素材
まずは投手から。右投手の有力候補がかなり多い。主な選手は、石田充冴(北星学園大付)や山口廉王(仙台育英)、清水大暉(前橋商)、小船翼(知徳)、村上泰斗(神戸弘陵)、柴田獅子(福岡大大濠)。
夏の福岡大会で、一気にスカウト陣の評価を上げたのが、柴田である。身長190cmと恵まれた体格を誇る大型右腕だが、昨秋まではストレートの最速が140キロ程度にとどまり、スカウト陣はそれほど注目していなかった。
だが、今春以降、急激な成長を見せた。夏の福岡大会で初登板となった福岡工業戦(3回戦)で最速149キロをマーク。ストレートで相手打線を圧倒して、5回参考記録(10対0、5回コールド)であるが、ノーヒット・ノーランを達成した。
試合が行われた小郡市野球場(福岡県小郡市)のスタンドには、30人以上のスカウトが集結し、柴田を視察していた。筆者も、現地で柴田の投球を見たが、インパクトは強烈だった。
「能力はもともと高かったのですが、春以降、驚くほど成長しましたね。打者の手元に来るストレートが強い。体が大きくても、動きに鈍いところがなく、(投げる時に)全身でキャッチャーの方向に向かってきますので、相手打者は、
“圧力”を感じると思います。(昨年のパ・リーグ新人王に輝いた)山下舜平大と比べても、遜色ない素材ではないでしょうか。高校生の投手のなかでは、もちろんトップクラスでしょう」(パ・リーグ球団のスカウト)
決勝の西日本短大付戦は、ストレートが走らずに打ち込まれ、早々に降板した。安定感に課題が残ったものの、好調時のピッチングは、今年の高校生の中で1、2を争う迫力がある。上位指名を検討する球団も出てくるだろう。
150キロ超えのストレートを投げる好投手たち
柴田に加えて、石田や山口、清水、小船は身長190㎝を超える大型投手。
特に、山口と清水、小船は、ストレートの最速が150キロ前後でスピードも申し分ない。ドラフト会議の展開次第では、上位に浮上することもありそうだ。
トップクラスの実力だと見られているのが、村上だ。中学時代は捕手で、高校入学後、本格的に投手へ転向した。2年生の時、早くも150キロを超えるスピードをマークした。昨年までは安定感に乏しかったが、今春以降は、コントロールと変化球が明らかにレベルアップ。試合を作れるようになった。
今年の兵庫大会は、2回戦の飾磨工戦で11奪三振、1失点で完投勝利を飾った。続く3回戦の西宮今津戦は、8回途中からマウンドに上がり、打者6人をパーフェクト、5奪三振という圧巻の投球を見せた(試合は2対3で敗戦)。フォームや雰囲気は、高校時代の山本由伸(ドジャース)に重なる。プロ入りすれば、さらなる成長が期待できるだろう。
左投手のなかでは、高橋幸佑(北照)や西川歩(山村学園)が評価を上げた。高橋は、今年4月のU18侍ジャパンの強化合宿に選出され、紅白戦で自己最速146キロをマーク。一躍、スカウト陣の注目を集めた。
夏の南北海道大会(小樽地区を含む)では、34回1/3を投げて2失点、44奪三振と見事な投球を披露した。コンスタントに145キロ前後をマークするストレートの勢いは抜群。フォームも良く、高い順位での指名も狙えそうだ。
西川は、夏の埼玉大会で最速147キロを出して、スカウト陣の熱い視線を集めた。コーナーに投げ分ける制球力と変化球のレベル、試合を作る能力がいずれも高い。将来的には、田口麗斗(ヤクルト)のような投手に成長する可能性を秘めた好素材だ。
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