「名水百選」のはずが“PFAS汚染現場”に 「健康診断で脂質異常症が出始めて…」と打ち明ける住民も
ペットボトルの売り切れ
環境省が選定する「名水百選」に選ばれた湧水があるほど豊富な地下水を、国分寺市は古くから水道水の一部に活用してきた。
周辺自治体の多くも、同様に水源として頼ってきたが、PFASの汚染が発覚した19年以降、東京都水道局は多摩地域における地下水からの取水を停止。現在は汚染のないエリアから水の供給を受けている。
国分寺市はホームページで〈水道水は安全です〉と広報に努めるが、それでも住民の不安は拭えない。
長田さんが続けて話す。
「国分寺の人たちは口には出しませんが、やはり不安なんだと思います。近所のスーパーに行くと、2リットルペットボトル入りの水の売り切れが目立つようになりました。みんな箱買いしていくようで、売り場が広くなったのですが、土日は空っぽになってしまっていることもあります」
水道水を使うのは止めて、専ら市販のミネラルウォーターに頼る日々だという。
「私は27歳から45年ちかく暮らしてきましたが、越してきた当時から、市は“国分寺の水道水の一部は、地下からくみ上げているので美味しい”と盛んにアピールしていました。それを聞いて、家族と一緒に“よい街だね”と、日々の料理に水道水を使ってきた。裏切られた気持ちです」
政府はこうした汚染の実態を完全には把握できておらず、対策が後手に回っている状態だという――。
有料版の記事では、高濃度のPFASが検出された地点を週刊新潮がまとめた「汚染ハザード一覧マップ」や、汚染地域に見られる「共通の特徴」などについて詳報している。
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