パナソニックのドラム式洗濯機が安価で買える!? いま「中古のリユース品」が熱い

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 メーカーが自社の中古品にメンテナンスなどを施し販売する、「公式リユース品」市場が拡大中だ。

気になる中古品への抵抗感は?

 アパレル大手の三陽商会はかねて、店舗や期間を限定して顧客から他社品を含めた衣料品を回収してきた。昨年は約8万点を数えたが、同社の松尾峰秀専務執行役員によると「ほとんどをサーマル燃料としてリサイクルしていた」という。

 今回、自社製品のみの回収に切り替え、検品やクリーニングを施したリユース品を「サンヨーG&Bアウトレット落合店」(東京都新宿区)で6月から販売開始。価格は新品より大幅に安く、半額以下のものが多々見られ、男性用コートは新品の1~4割程度という例も。「品質保持が困難」「ライセンスが切れた」などの事情がある回収品は、環境負荷の少ないリサイクル処理を目指す。

 リユース市場は年々拡大しており、松尾氏によると、

「国内は2022年で2.9兆円規模。うち衣料・服飾品は5100億円で、国内アパレル市場全体の6%程度です。ただ直近5年は年率13%超の伸びを示し、この数字が続けばあっという間に2~3割を占めそう」

 長らく新品を好む傾向にあった日本人も、近年は中古品への抵抗感が薄れ、市場加速の一因になっている。

大手メーカーの人気商品も

 家電大手のパナソニックはネット上の「パナソニックストアプラス」で4月から、検査済み自社再生品の販売品目を拡大した。

 月々一定額で家電製品を利用できるサブスク方式を20年に始めたが、その契約終了品のほか、初期不良品、店頭展示戻り品が再生の対象だ。一般の使用済み家電は対象外で、潤沢に数をそろえられないきらいは残る。ドラム式洗濯乾燥機などの人気は高く、公式ストアで品切れとなるケースも多い。

 再生品の価格は、家電の種類や年式によりまちまちだ。同社は近年、「指定価格制度」と呼ばれる販売スキームを新商品に導入。家電量販店は事実上、値引きができなくなった。このため、メーカーとして再生品を新品の価格より一定程度低く設定して売れるようになった経緯がある。

 同社は現状について「家電の再生品市場を拡大するには単一メーカーでは不十分。白物家電など大きい物は回収や配送・設置にかかる物流費も高く、国と連携して地域内で再生品を回せるような仕組みづくりも模索しなくては」と語る。

 リユース品や再生品の販売では新規顧客との接点も生まれる。メーカー側の注力は一層増しそうだ。

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