裕福な家に生まれれば「少々薄ぼんやりの坊ちやん」でも大学に行ける――《教科書にも載っている偉人》が唱えた「親ガチャ」論

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 2021年の流行語大賞にノミネートされ、今やすっかり社会に定着した観のある「親ガチャ」。どんな親のもとに生まれるのかは運任せであり、その当たり外れによって人生が大きく左右されてしまう状況を表現する言葉だ。

 じつは「日本社会主義の父」として教科書にも載っている堺利彦(1871~1933)も、現代の「親ガチャ」論とまったく同じような議論を展開している。中でも堺が注目したのが「中の下」クラスの人々であった。日本思想史研究者・尾原宏之さんの新刊『「反・東大」の思想史』(新潮選書)の中から、一部を再編集してお届けしよう
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