「田舎の地主が億万長者に」「“タダでもいい”と思っていた土地が1坪100万円」 半導体工場用地バブルに沸く熊本県で何が起きているのか

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台湾人が土地買い占め

 このバブルが従前のバブルと違うのは、台湾人がからんでいることだと別の不動産業者が言う。

「うちで世話した分譲地があるのですが、エンドユーザーが台湾人だったらしく、中国語の看板が立っていました。そういうのはいくらでもあります。日本人が2~3戸買ったあと、台湾人が買い占めたという建売住宅もあります。ほとんどの台湾人は建物を見ないで買うんです。転売目的だから必要ないのでしょうね」

「台湾の業者が土地を買いに来ているんですか?」

「そうです。日本は土地の規制がないから、外国人でも買えます。昔は住民票代わりにパスポートで取引できたんです。そんな国はないですよ。日本は外国人に土地を売り過ぎです」

 実際、台湾人による土地の買い占めを知らない業者はこの町ではいないらしく、こんな話もあった。

「昔、大津町に肌着などを製造する工場があって、かなり前になくなって敷地(約4ヘクタール)だけが残っていました。そこを台湾人が買ったそうです。なんでもマンション2棟と平屋の住宅を160棟ほど建てて、チャイナタウンみたいな町をつくるのだそうです」

「中国が台湾を併合したら…」

 今でも土地を買いに台湾人はよく来るそうだ。台湾人に土地をあっせんしたという業者は、こう言った。

「TSMCの関係で台湾から来た人でしたが、東京にも不動産会社を持っていました。ここで土地を安く買って台湾人に売るのだそうで、いわば土地転がしをやってるんです」

 それにしても、どうして多くの台湾人が土地を買い求めるのだろうか。

「土地を買った台湾人から聞いた話ですが、中国がいつなんどき攻めて来るか分からないから、台湾有事の時はここに逃げてくるつもりで、お金持ちはどんどん買っているそうです。大津町に隣接する菊池市はTSMCとは関係ないと思っていたのに、今は土地の値段が上がっています」

 少し間をおいて、冗談とは思えない表情で言った。

「中国が台湾を併合したら、ロシアのように、自国民を守るという名目で熊本に攻めてきませんかね。なにしろ、ここは東京より中国に近いんですよ」

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