“植田ショック”は歴代2位の大暴落…では“歴代1位”の超大暴落時、市場はどんな様子だったか

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当時の経済評論家が語っていた“異常事態”

 同じく、当時『週刊新潮』1987年11月5日号の取材に答えた経済評論家は市場で起きていた“異常事態”について、こう解説している。

「実は今回の暴落で大損した人はまだいない。20日の大暴落で、大きく動いたのは株価だけだからです。売りが出ても買いの注文がないので商いが成立せず、この日の商い量は普段の3割ほどに過ぎませんでした。売ったのは、ほとんどがアメリカの投資銀行や投資信託といった機関投資家で、日本の株主の注文はほとんど成立していない。つまり、現時点ではまだ“損切り”は発生していないのです」

 また、経済部の記者は「異常と言えば最近の株式市場そのものが異常だった」と振り返っていた。

「超低金利時代とあって、カネは市場に溢れるように流れ込み、5年前は6千円だった日経平均は2年前には1万3千円台に。そして今年の正月は1万8千円台になって、あっという間に2万6千円台まで駆け上がりました」

 まるで、今年の日経平均と同じではないか。

コッカラッス?

 空恐ろしくなってきたところで、最後は当時の暴落の最中、それでも株をセールスし続けた証券マンの「売り文句」で締めたいと思う。

(いずれも当時の『週刊新潮』1987年11月5日号より)

「暴落だと騒がれていますが、20日が大底で続落はないと思います」

「むしろ、こういう下落時こそ投資家にとってはチャンス」

「買い増して取得単価を下げておけば、半年ほどで暴落前の相場水準に戻りますよ」

「株主の構成が若返ったことで、むしろ再度高値を狙う土壌が整いました」

 果たして週明けの日経平均の行方は――。

デイリー新潮編集部

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