なぜ蓮舫氏は「惨敗」に学ばないのか…過去の成功体験にすがる「立憲民主党」が縁を切るべき“頼りがいのある味方”

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乗っかり過ぎ

〈蓮舫氏に批判が殺到した理由の一つに、彼女が連合(日本労働組合総連合会)の芳野友子会長の発言を問題視したことが挙げられる。芳野会長が蓮舫氏の敗因として7月11日、「共産党が前面に出過ぎて票が逃げたのではないか」と指摘。これに蓮舫氏がXで《現職に挑戦した私の敗因を、現職を支持した貴女が評論ですか》と食ってかかった〉

 多少の意見の違いは認めてとにかく選挙に勝つぜ、というのが自民党のしたたかなやり方なのだが、立憲民主党はイデオロギーの一致を求めすぎる。共産党に配慮すれば連合が反発する、逆もしかり。

 挙げ句の果てには、熱烈な支持者のXでの盛り上がりやRT・いいねの数に「我々の勝利はまもなくだ」となり、負けたら負けたで「女性差別だ!」と来る。いや、小池百合子氏も女性だろ? と疑問を抱くと「小池は『名誉男性』だ!」という反論が来る。

 左派政党は支持者が重要視するイシューに乗っかり過ぎである。沖縄の基地問題に関連し、沖縄での抗議活動に参加すれば票が得られる、と考えるかもしれないが、全国ではその次第ではない。現に、福島第一原発事故発生以来、何度も原発反対デモに参加しても政権は取れないではないか。

 私が某立憲民主党議員に聞いた「同じやり方は通用しないのでは?」を党内で検討してみた方がいいと思いますよ。別に私は立民支持者ではありませんが、このまま自民党が好き放題するのもイヤなので。

中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう)
1973(昭和48)年東京都生まれ、佐賀県唐津市在住のネットニュース編集者。博報堂で企業のPR業務に携わり、2001年に退社。雑誌のライター、「TVブロス」編集者等を経て現在に至る。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』『ネットのバカ』『ウェブでメシを食うということ』『よくも言ってくれたよな』。最新刊は『過剰反応な人たち』(新潮新書)。

デイリー新潮編集部

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