なぜ蓮舫氏は「惨敗」に学ばないのか…過去の成功体験にすがる「立憲民主党」が縁を切るべき“頼りがいのある味方”

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れんほう、れんほう、れんほう!

 こうした反政権デモには弁士として国会議員も登場した。民主党(当時)の枝野幸男氏や社民党の吉田忠智氏や福島みずほ氏、共産党の小池晃氏や吉良よし子氏、池内さおり氏らが「反アベ」系の常連の国会議員として顔を出していた。

 8月2日の「安倍政権打倒!! 怒りのブルドーザーデモ」では、ブルドーザーが安倍氏を模したゴム製のマスクを潰すパフォーマンスなども行われた。

 さらに、11月1日~3日に行われた「赤旗まつり」では、「ドラムレクチャー」と題され、安倍晋三氏の写真にヒトラー風のヒゲをつける写真をネットに公開。社会に大いなるインパクトを与えた。池内氏が太鼓を胸の前で持ち、スティックで叩くような仕草をする写真もあった。

 安倍氏の国葬にまで反対デモを行ったが、デモや集会を主催する市民団体に野党議員は賛同の意を示すのも定番だった。このように反政権系のデモが開催されると野党議員も駆けつけ、弁士として自公政権及びアベ批判を行い、このままでは日本が戦争ができる国になり憲法九条が骨抜きになり平和が平和と民主主義が侵される、といった主張をし、参加者が熱狂する。これをこの12年間やり続けたのである。今回の都知事選にしても、蓮舫氏が街頭演説をする時は若い女性が満面の笑顔で「れんほう、れんほう、れんほう!」と叫び、ダンスをした。集会でもポップなダンスを女性が披露するシーンが話題となった。

ノイジーマイノリティ

 こうした彼らの一連の動きには、もちろん賛同者もいただろうが、その一方で私を含め、多くの有権者は「またいい歳した大人がはしゃいで」と冷めた目で見ていた。「政治を身近にしようぜ!」とばかりに若者を動員し、ポップなノリで太鼓を叩いて明るく、しかし怒りも交えて政治的主張をする。そして「いつもの左派論客・活動家」に加えて「いつもの野党国会議員」が壇上でスピーチをし観客が熱狂する。

 野党議員と野党支持者はこのノリをこの10年以上続けているのである。基本的にはこの流れだ。

 左派のデモなり集会なりが行われる
 ↓
 そこに議員が駆け付けアツく演説をし、聴衆が熱狂する
 ↓
 左派メディアが「このデモが盛り上がった」と報道する
 ↓
 支持者がXで動員数等の成果を報告、議員も感謝の言葉を述べ、その成果を誇る
 
 しかし、実際のところ、この手の大規模集会・デモは東京で行われる(小規模ながら全国の大都市でも連携を図るべく行われるが)わけで、わざわざ新幹線で駆けつけるような人を除き、地方民は蚊帳の外である。そして取材するメディアも在京メディアだ。そしてもう何度も見てきた光景なのだが、この手のデモ・集会は「いつもの左派活動家」が関与している。今回の都知事選もその一環なのだが、私は「蓮舫さんはまだこの人々のことを頼りがいのある味方だと思っているのか……」と感じた。このやり方は一瞬の高揚感と「私達は支持されている!」という感覚は得られるものの、実際はノイジーマイノリティである。

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