優勝した照ノ富士は「ヒザの負担を考え前に出る相撲に変えていた」、途中休場の豊昇龍は「このままでは横綱が望めない」【音羽山親方の名古屋場所総括】

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秋場所で新入幕が期待される白熊

――先場所、親方から期待する力士として挙げていただいた、平戸海関が10勝(5敗)で技能賞を獲得しましたね!

音羽山:けっして大きくない体でよくがんばったと思います。好成績の理由は、相撲が変わったから。これまでは、反りながらまわしを取りにいっていましたが、自分から前傾姿勢で押していけるようになったのが大きいですね。

 彼は毎日コツコツ稽古する、努力家だと聞いています。泥臭い相撲は、好角家の方たちを唸らせるほど……。

――その他、注目する若手力士はいらっしゃいますか?

音羽山:名古屋場所で十両優勝して、秋場所で新入幕が期待される白熊はおもしろそうですね。大の里とは中学から大学(日体大)まで同窓で、白熊が1つ年上。所属部屋も同じ二所ノ関部屋です。大関を狙おうかという後輩に刺激を受けていることは間違いないですし、頑丈そうな体をしているところも魅力。

 また、1年前、「ザンバラ髪の新入幕力士」として注目を集めた、伯桜鵬はケガで低迷していましたが、十両で11勝と復活の狼煙を上げています。

 8月4日からは、東北北海道などを中心とした夏巡業が始まっています。9月の秋場所では、夏巡業の稽古でひと回り成長した力士の姿を見たいものです。

武田葉月
ノンフィクションライター。山形県山形市出身、清泉女子大学文学部卒業。出版社勤務を経て、現職へ。大相撲、アマチュア相撲、世界相撲など、おもに相撲の世界を中心に取材、執筆中。著書に、『横綱』『ドルジ 横綱朝青龍の素顔』(以上、講談社)、『インタビュー ザ・大関』『寺尾常史』『大相撲 想い出の名力士』(以上、双葉社)などがある。

デイリー新潮編集部

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