日韓の若者で「松田聖子リバイバル」が巻き起こっている理由 「“親日だ”との批判は起こらず」

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“レトロ感が特徴”

 この現象が起きた理由について、ミュージシャンで音楽ライターの鳥居真道氏に聞くと、

「NewJeansの音楽は、90年代の英語圏のダンスミュージックの要素を取り入れるなど、センスの良いレトロ感が特徴です。今回の『青い珊瑚礁』のカバーについては、韓国だけでなく世界中で流行している日本の80年代のシティポップを意識したのかもしれません。これを作曲した故・小田裕一郎氏は、シティポップと遠からぬ人物だといえるからです」

 その結果として、

「40年以上も昔の曲ではありましたが、シティポップ的な音楽表現に慣れ親しんでいる日韓両方の若い世代にとってなじみやすく、すんなりと受け入れられたのでしょう」(同)

“親日”批判は起こらず

 在韓ジャーナリストの金敬哲氏によれば、

「一昔前は、K-POPグループが日本人ファンに対して日本語の歌を披露するなどのサービスを行うと、自国で“親日だ”と批判されたものです。しかし、今回はそのような批判は目立たず、むしろ、多くの韓国人がカバーと原曲の両方で『青い珊瑚礁』を楽しんでいます。今時の若い世代は日本を特別視しておらず、自然体でカルチャーを受け入れる土壌ができているのだと思います」

 今年末の紅白では、聖子ちゃんとNewJeansの共演が見られるかもしれない。

週刊新潮 2024年8月1日号掲載

ワイド特集「栄光への架け橋が…」より

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