ドジャース ナ西地区首位でもロバーツ監督の立場は微妙…編成責任者と不協和音も

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ドジャースとのトレードは旨みがない?

 とはいえ、ロバーツ監督に言わせれば、とても「勝って当然」のチーム状況ではない。負傷者が続出していることについて言えば、オープン戦終盤にエメット・シーハン(24)がトミー・ジョン手術を受けることが決まり、ブルスター・グラテロル(25)も右肩痛でIL(負傷者リスト)入りした。さらに韓国での開幕戦が行われた3月20日付けでダスティン・メイ(26)、クレイトン・カーショウ(36)、トニー・ゴンソリン(30)もIL入りとなり、その後もライアン・ブレイジャー(36)、ジョー・ケリー(36)、マイケル・グ ローブ(27)も負傷し、山本、ウォーカー・ビューラー(30 )も欠いてしまった。

「6月25日時点で、11人の投手がIL入りしていました。ゴンソリン、カーショウ、メイは昨年の手術の影響で出遅れることは分かっていました。ベテランの奮闘で持ちこたえているような状況です。でも、編成責任者のアンドリュー・フリードマン氏はチームがこうなることを予想していたのか、最近はシーズン途中でのトレード補強を最初から想定していたような発言が増えています」(前出・同)

 だが、ドジャースのフラッグディール・トレード(下位に低迷するチームが主力選手を放出し、地区優勝を争っているチームから若手をもらう交換トレード)は、うまくいったとはいえない。その原因として、「オフの勝者」に対する他球団の嫉妬もあるようだが、深刻な問題は、ドジャースとフラッグディール・トレードを成立させても、“旨み”が少ないと思われていることだ。

「タイガースのエースで左腕のタリク・スカバル(27)を、ドジャースとア・リーグ東地区1位のオリオールズが獲得を狙っていると、米スポーツメディア『CLUTCH POINTS』が報じています(7月17日)。最終的にタイガースに残留しましたが、最後までオリオールズ有利という声が絶えませんでした」(前出・米国人ライター)

 オリオールズはMLBでもトップクラスのファーム組織を持っている。開幕前、MLB公式サイトがファームの育成ランキングを発表した。オリオールズは1位で、ドジャースは8位だった。エースを放出する以上、複数のプロスペクト(若手有望株)が欲しいとタイガース側は考えているという。1位のオリオールズと8位のドジャース、どちらと話を進めるべきかは説明するまでもないだろう。

「スポーツ専門局ESPNによれば、ドジャースはホワイトソックスの左腕、ギャレット・クロシェ(25)、ブルージェイズの菊池雄星(33)も狙っていると伝えていますが、ホワイトソックスからはクロシェではなく、救援投手のマイケル・コペック(28)を獲得。菊池はアストロズ入りしました」(前出・同)

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