5000円札が「66万円」で落札されたことも…コレクター垂涎のレア紙幣「AA-AA」とは
AA777777AAなら驚きのプレミアも
ところで、ネット上ではAA-AAがレアである、という法則を誤解している人が続出している。ある有名なYouTuberも誤解していたのだが、あくまでも人気があるのはAA-AAである。AA-TYやAA-BKのように。前のアルファベットの組み合わせがAAなだけではプレミアはつかない。
ところが、AAならば価値があると思い込み、ネットオークションやフリマサイトで紙幣を“転売”している人もいるのだ。そういった紙幣は、さすがにほとんど売れていないだろう……と思いきや、額面の何倍もの価格で購入してしまっている人も一部にいる。基本的にプレミアがつくことはないので注意してほしい。
「AA-AAの紙幣で凄まじいプレミアがつく可能性が高いのが、AA-AAと、さきに紹介した珍番号の“合わせ技”が見られるものです。もし、AA111111AAやAA777777AAのような奇跡的な超激レア紙幣が発見され、オークションに出品された場合、通常の珍番号を遥かに超える金額で落札される可能性が高いですね」
こう竹内氏が言うように、こうした紙幣がひとたびオークションに出品されると、コレクターがざわつくという。そして、そういった紙幣はATMでお金を引き出したり、お釣りで入手したりと、誰の手にも平等に回ってくる可能性があるのだ。「そんな紙幣を偶然見つけたら、宝くじに当たったようなものでしょうね」と竹内氏が言うのも、納得である。
衝撃、5000円札の100枚束が2900万円!
銀座コインのオークションには、珍番号の紙幣が毎回出品されている。過去の高額落札を見てみると、A777777Aの福沢諭吉の旧1万円札は、なんと68万円で落札されている。A333333Aの樋口一葉の5000円札は66万円で落札された。A-Aとぞろ目の組み合わせだけで、これほどの価格に跳ね上がるのだ。
これをさらに上回る衝撃の超高額落札になったのは、樋口一葉の5000円札の100枚束である。番号がA000001A~A000100Aとなっており、もちろんすべてピン札だ。額面は5000円×100枚なので50万円だが、落札額は衝撃の2900万円であった。額面の実に58倍という恐るべきプレミアである。
先に述べたように、通常はA000001Aなどの若い番号は、お札にゆかりのある施設や団体などに寄贈される。樋口一葉の5000円札も、2004年に発行が始まった初期のものは、関係団体に寄贈されている。オークションに出たものは、ホログラムの透明層の大きさと記番号の色が黒から褐色(茶色)に変更されたうえで2014年から発行された、いわば改良版の紙幣であった。
「あくまでもマイナーチェンジにすぎなかったため、関係機関に寄贈されることがなく、普通に流通したのでしょうね。もし、記番号の色が黒だったら、初期に発行されたものですから、さらに高額で落札されたと思われます」と、竹内氏。AA-AAで、かつ珍番号の紙幣を見つけたいという人に、こうアドバイスする。
「こんな紙幣は、それこそ日本中のコレクターが血まなこになって探しているため、簡単に見つかるものではありません。ただ……もし奇跡的に見つけた人は、ぜひ“銀座コイン”まで持ち込んでみてはいかがでしょうか(笑)」