【五輪サッカー】日本代表ベスト8進出! イスラエル戦で驚かされた「大岩剛監督」の大胆な選手起用 誰もが待ちわびた「エースストライカー」のゴールで3連勝

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待ちわびた細谷のゴール

 これが奏功し、後半20分には三戸がカットインから決定的なシュートを放つ。シュートはGKに防がれたものの、34分には荒木に代えてFW細谷真大、川崎颯太に代えてMF藤田譲瑠チマを送り出す。ドローでも日本の首位は変わらないが、大岩監督は勝負に出た。

 藤田は状況判断が秀逸で、ポジショニングも攻守に際立っている。さらにインサイドキックも速く正確だ。

 それがよく表われたのが後半アディショナルタイム45+1分の攻撃である。素早く右サイドの佐藤に正確なパスを通すと、佐藤も躊躇うことなくグラウンダーで折り返す。このパスに応えたのが細谷だった。藤田や佐藤と同じく正確な右足インサイドキックでクロスをミートし、ゴール右スミに突き刺す。

 細谷は「2試合とも点を取れていなかったので、点を取れてよかったです」と決勝点を振り返ったが、ゴールに結びつかなくても日本の勝利に貢献してきたことは誰もが知っている。

 そんなエースストライカーのゴールを待ちわびていたのは大岩監督ではないだろうか。ターンオーバーでスタートし、要所で交代選手の活躍から3連勝を飾った。これは28年ぶりに出場した1996年のアトランタ五輪以来、初めての出来事である。

 決勝トーナメント1回戦の相手はグループC2位のスペインと決まっている。まさかスペインが2位とは予想外だったが(1位はエジプト)、前回の東京五輪では準決勝で0-1と敗れている。その雪辱の意味でも絶好の相手ではないだろうか。

六川亨(ろくかわ・とおる)
1957年、東京都生まれ。法政大学卒。「サッカーダイジェスト」の記者・編集長としてW杯、EURO、南米選手権などを取材。その後「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。

デイリー新潮編集部

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