東海道新幹線のバックアップをどうするか?問題 北陸新幹線の「米原ルート」が再燃中

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今後の日本に“2つ3つ”も必要か

 とはいえ日本が人口減少へと向かい、さらにリモートのコミュニケーション手段も増える中で、東海道新幹線のバックアップを2つも3つも整備する必要はあるか?と問われれば、不要と答える人も出てくるだろう。

 そうなると、北陸新幹線か中央リニアどちらかを整備するといった選択を迫られる可能性は否定できない。北陸の政財界人としては、北陸新幹線を敦賀で打ち切られる事態は避けたい。そのためにも、リニアより早く大阪まで開業させたい――北陸新幹線の整備を急ぐ関係者たちからは、そんな駆け引きのようにも映る思惑が透けて見える。

 しかし、北陸新幹線の小浜を経由するルートは資材価格・人件費の高騰で、当初より建設費が2倍になるとの試算も出ている。これ以上に建設費が膨らむ可能性も示唆されており、それが米原ルート再考への流れを強めている。

 不通によって東海道新幹線の重要性が再認識させられた今回の一件だったが、同時にバックアップの整備についての議論が不足していることを露呈させた。

小川裕夫/フリーランスライター

デイリー新潮編集部

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