「男性に都合の良いシーンが多い」「いまだに前張りを使わない現場がある」現役インティマシー・コーディネーターが語る日本の映画・映像業界の現実

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コンドームを映す場面が1度はあってほしい

 きちんとした性教育やジェンダー教育がなされていない日本では、「特に若い世代への影響が気になる」とも語る。

「情報の取捨選択が未熟な若い世代に対して、ドラマや映画が『この2人は一足飛びにベッドで性的な行為をしてる、それでOKなんだ』とか『イヤでもそういう状況だったら受け入れなきゃいけないんだ』と刷り込むことになりかねません。若い世代をターゲットにした作品なら、例えばコンドームを映す場面が1度はあってほしい。

 もちろん『今回は(映さなくても)いいや』となることもありますが、言えば気づいてくれる人もいる。今まで気づけなかったのは、言われたことがなかったからです。古い価値観を内面化している世の中の認識を変え、今の時代に合わせて、今の人たちが観て安心するものを作っていくためにも、言っていくべきだと思うんですよね」

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 エンタメ作品に現れる古い認識や認識の歪みをどうすれば減らすことができるのか。第2回【「どの程度のキス?」「その時は着衣?」…エンタメ業界のインティマシー・コーディネーターが明かす「意外とウェルカムな現場が多い理由」】では、かねてから様々な問題が指摘される日本の映画・映像業界での、西山さんの奮闘ぶりについてお伝えする。

渥美志保(あつみ・しほ)
TVドラマ脚本家を経てライターへ。女性誌、男性誌、週刊誌、カルチャー誌など一般誌、企業広報誌などで、映画を中心にカルチャー全般のインタビュー、ライティングを手がける。Yahoo!オーサー、mi-mollet、ELLEデジタル、Gingerなど連載多数。釜山映画祭を20年にわたり現地取材するなど韓国映画、韓国ドラマなどについての寄稿、インタビュー取材なども多数。著書『大人もハマる韓国ドラマ 推しの50本』(大月書店)が発売中。

デイリー新潮編集部

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