NHKがパリに派遣するアナウンサーは最低でも28人…過剰な「五輪対応」に局内からも「予算の使い過ぎでは」の声
キャスターまでパリへ
具体的に見てみよう。まずはアナウンサーではないが、「サタデーウオッチ9」(土・21:00)の伊藤良司キャスターは7月27日の放送でパリから中継で出演した。
「繰り返しますが、NHKは28人のアナウンサーをパリに派遣します。さらに伊藤キャスターまでも現地に向かう必要があったのでしょうか? パリで仕事をしているNHKのアナウンサーに出演してもらい、東京のスタジオにいる伊藤キャスターと衛星回線でやり取りすれば、それで済んだと思います」(同・関係者)
次は番組から派遣された女性アナウンサーだ。先に触れたとおり、3人の女性アナウンサーが番組からパリへ派遣されている。
「NHK NEWS おはよう日本」(平日・5:00など)のレポーター・浅田春奈アナ、「NHKニュース7」(毎日・19:00)で金土日祝のフィールドキャスター・川口由梨香アナ、「ニュースウォッチ9」(平日・21:00)のスポーツキャスター・吉岡真央アナ──この3人だ。
「浅田アナと川口アナは19年、吉岡アナは18年の入局です。3人とも20代の若い女性アナウンサーという共通点があります。Xを見ると、彼女たちはかなり前から現地に入っていることが分かります。とはいえ、3人がフランスから送ってくるレポートはパリ通行人のインタビューとか、選手村の様子を紹介するなど、他愛もないものばかりです」(同・関係者)
番組スタッフも渡仏
番組から派遣されるのは女性アナウンサーだけではない。番組スタッフも同じようにパリへ渡る。
「“屋上屋を架す”という慣用句を思い出します。パリにはNHKの国際部とスポーツニュース部の記者やデスクが大量に派遣され、取材して記事を書き、カメラマンが撮影しています。ところが番組からも番組の担当記者やデスクが派遣されますから、完全に重複しています。『ニュース7」』や『ニュースウォッチ9』の場合、取材制作ディレクターやデスク級までパリへ渡ります」(同・関係者)
要するに無駄なアナウンサーやスタッフが目立つようなのだ。
「番組からアナウンサーやスタッフは渡仏させず、現地の記者やディレクターが番組分の取材も行う。必要ならパリ滞在中のアナウンサーに出演してもらうほうが、はるかに合理的であることは言うまでもありません」(同・関係者)
さらにNHKがネット対応に力を入れていることで、「番組発の独自報道」の必要性が低下しているという。
「昭和の時代なら、それぞれの時間帯で放送される報道番組が独自ネタを放送したり、独自の観点でパリからレポートを伝えたりすることに価値はあったと思います。しかし今では、番組発のニュースであっても、国際部が取材してまとめたニュースでも、ネット記事では単なるNHKのニュースに過ぎません。こうして見ると、NHKはパリオリンピックに対応するため、かなり予算を乱暴に使っていることが分かります。局内でも『こんなにジャブジャブ予算を使って大丈夫なのか?』と呆れ、心配する声が出ているのです」(同・関係者)