【五輪ゴルフ】馴染みが薄いコース、国旗を背負って戦う重み…シェフラー、シャウフェレ、松山ら豪華メンツでも「メダル予想困難」のおもしろさ

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五輪ならではの緊張感やプレッシャー

 そして日本からは、五輪2度目の出場となる松山英樹と初出場の中島啓太に期待が寄せられている。

 五輪のゴルフは、PGAツアーやDPワールドツアーの大会、あるいはマスターズや全米オープンといったメジャー4大会などとは、競技形式は同じでも、戦う意義や雰囲気は大きく異なっており、個人戦であっても、国旗を背負って戦う重みは選手たちの肩にずっしりとのしかかってくる。

 そんな五輪ならではの緊張感やプレッシャーが、彼らのゴルフにどんな影響を及ぼし、どんな展開になるのかは、蓋を開けてみるまで、まったくわからない。

 東京五輪の際も、銀メダルに輝いたサバティーニと銅メダルを獲ったパンは、どちらも世界ランキングが3桁という低い位置から出場し、開幕前はメダル候補にまったく挙がっていなかったにもかかわらず、実際は見事なゴルフを披露して表彰台に立った。

 フランスのゴルフコースが世界的なビッグ大会の舞台になった例は決して多くはなく、2018年ライダーカップが開催されたル・ゴルフ・ナショナルは、同大会に出場したライダーカッパー以外の選手には、あまり馴染みがない。

 その意味では、多くの事柄は大半の選手にとって「初めてのこと」「新しいこと」「不慣れなこと」となり、誰もがほぼ同じスタートラインに立って、手探りで戦い始めるような状況にある。

 何が起こり、誰がメダルを獲るのかはまったくわからず、だからこそ、パリ五輪のゴルフ競技に大いなる興味をそそられる。

舩越園子(ふなこし・そのこ)
ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学客員教授。東京都出身。早稲田大学政治経済学部経済学科卒。1993年に渡米し、在米ゴルフジャーナリストとして25年間、現地で取材を続けてきた。2019年から拠点を日本へ移し、執筆活動のほか、講演やTV・ラジオにも活躍の場を広げている。『王者たちの素顔』(実業之日本社)、『ゴルフの森』(楓書店)、『才能は有限努力は無限 松山英樹の朴訥力』(東邦出版)など著書訳書多数。1995年以来のタイガー・ウッズ取材の集大成となる最新刊『TIGER WORDS タイガー・ウッズ 復活の言霊』(徳間書店)が好評発売中。

デイリー新潮編集部

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