【五輪ゴルフ】馴染みが薄いコース、国旗を背負って戦う重み…シェフラー、シャウフェレ、松山ら豪華メンツでも「メダル予想困難」のおもしろさ

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急にメダルを獲れと言われても…

 リオ五輪の際に112年ぶりに五輪競技として復活したゴルフだったが、出場候補となった選手たちの多くは「僕らは幼いころからメジャー大会で優勝することを目指してゴルフをやってきた。突然、ゴルフが五輪競技にカムバックしたから五輪を目指せ、メダルを獲れと言われても、まったくピンと来ない」と困惑していた。

 そして、リオ五輪の際は、現地の治安の悪化やジカ熱の流行を危惧して出場辞退者が続出。日本の松山英樹も、その1人だった。

 しかし、いざゴルフ競技が行われ、英国のジャスティン・ローズが金メダル、スウェーデンのヘンリク・ステンソンが銀メダル、米国のマット・クーチャーが銅メダルを獲得し、表彰式で胸を張った彼らの姿を目にすると、「感動した」「五輪は素晴らしい」「東京五輪では僕がメダルを獲りたい」といった声が、出場を辞退した選手たちからも次々に上がっていった。

 そして迎えた東京五輪では、米国のザンダー・シャウフェレが金メダルに輝き、かつて陸上選手として五輪出場を目指しながら交通事故に遭って断念したシャウフェレの父親が、霞ヶ関カンツリー倶楽部で号泣した姿がとても印象的だった。

 銀メダルを獲得したのは、結婚後に自身の国籍を南アフリカからスロバキアに変更したローリー・サバティーニだった。

 銅メダル争いは7人によるプレーオフにもつれ込み、その中には松山英樹も含まれていたが、メダルを手に入れたのは台湾出身のC.T.パンだった。

世界ランキング1位シェフラーも出場

 今年のパリ五輪では、誰がメダルに輝き、どんな国旗が掲揚されることになるのか。

 ランキング上位者がひしめく米国の代表選手は4名。東京で金メダルを獲得したザンダー・シャウフェレは、今年の全米プロと全英オープンを制し、年間メジャー2勝を達成したばかりゆえ、今年の金メダリスト候補として、誰よりも有力視されている。今年のマスターズを制し、マスターズ2勝を達成したスコッティ・シェフラーは世界ランキング1位の強者であり、絶大なる安定感を誇っている。

 アイルランド代表のローリー・マキロイとシェーン・ローリーは親友どうし、友情パワーでメダル獲得を狙ってくる。

 今年のパリ五輪は、新設ツアーであるリブゴルフの選手を初めて受け入れる五輪となることも注目されている。スペインのジョン・ラームやデビッド・プーイグ、チリのホアキン・ニーマンとミト・ペレイラ、メキシコのエイブラハム・アンサーとカルロス・オーチスなど7名のリブゴルフ選手が五輪の舞台に立とうとしている。

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