「NISA貧乏」になってはいけない! 政府の煽りに乗せられず「初心者」が“取るべき行動”とは
「今回の下落はほんの入り口に過ぎない」
その一方で、経済アナリストの森永卓郎氏は、
「世界経済はバブルの真っただ中にあると私は捉えています。今回の下落は、ほんの入り口に過ぎません」
と、警鐘を鳴らす。
「株価とはじわじわ上がり、下がる時は急落するもの。今回の下落率は約11%ですが、たった1割下がってうろたえている人が、今後起こりうる大暴落に耐えられるでしょうか」(同)
要因は半月で10円と急速に進んだ円高だといい、
「これはまだ調整途上。購買力平価をみても、本来の均衡為替レートは1ドル90~110円です。110円に修正されていくのだとすれば、NISAで運用している米国資産を中心とした投資信託の価値も大きく下がる。オルカン(NISA利用者に圧倒的人気の「eMAXIS Slim 全世界株式〈オール・カントリー〉)といえど、3割の円高が来ればひとたまりもないでしょう」(同)
「新NISA」に投資する“条件”
もとより確実に増える投資など存在しないのだが、
「新NISAがスタートした当初より、国は“株価はこのまま右肩上がりが続くだろう”といったあおり方を続けてきました」
とは、経済ジャーナリストの荻原博子氏である。
「そもそも、先を見通せてこその長期投資です。米大統領選のみならずガザやウクライナの現状など誰も見通せなかったし、今後も読めません。そんな状況での投資は博打と同じです。新NISAで投資するのであれば、借金のある人はまず返済し、土台を安定させた上で年収1年分の貯金をキャッシュで持つことです。先行き不透明な時代で自身がリストラされても、失業保険と合わせれば2年くらいは家族を養っていけます。その間に経済が変わるかもしれません」(同)
当然のことながら投資は自己責任。政府の口車に乗らず、自ら考えて行動していく必要がありそうだ。
「週刊新潮」8月8日号では乱高下する市場にうろたえないための「処方箋」について詳報する。
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