「NISA貧乏」になってはいけない! 政府の煽りに乗せられず「初心者」が“取るべき行動”とは
日経平均は7月11日、終値で史上最高の4万2224円をつけていた。が、その後は下落基調に転じ、26日にかけて8営業日続落。なおも予断を許さない状況で、巷には「新NISA」で悲鳴を上げている投資初心者もいよう。専門家の見解は――。
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日銀は30日から翌日にかけて金融政策決定会合を開き、またアメリカの連邦準備制度理事会(FRB)も同じ日程で連邦公開市場委員会(FOMC)を開催。現在は大きく開いている日米の金利差が縮まれば円高ドル安が進行し、株価も上下するというわけだが、そうした展開に一喜一憂するのは投資のプロだけではない。政府の「貯蓄から投資へ」の呼びかけに促されて「新NISA」を始めた人々もまた、穏やかではいられまい。
「4月には日経平均が3万7000円台と、前月から3000円以上も値下がりしたこともあり、ネットでは『だまされた』『損切り民』といった書き込みも見られるようになりました」(経済部デスク)
さらに、長期投資の趣旨を解さず“早く多く”と急いて資金をつぎ込んだ結果、生活費に困窮する「NISA貧乏」に陥る人も出始めているというのだ。ファイナンシャルプランナーの深野康彦氏が言う。
「昨年末の日経平均は3万3000円台でした。それが3月には4万円台に入り、初心者も含めて“乗り遅れるな”とばかり株を買い始めた。そうした人が、今回の急落で嘆いているのです」
「攻めの投資」が危ない
「新NISAのつみたて投資枠を利用している人は5年、10年後に結果が伴えばいいのだから何も問題はありません。高値づかみを避けるために毎月定額を積み立てているわけで、株価下落は、買付数が増えるのでむしろチャンスだといえます。一方、成長投資枠で個別銘柄を買っているような“攻めの投資”の人たちは慌てたかもしれません」(深野氏)
一例として、人気の「NTT」株は1月23日に192.9円の高値をつけたものの、6月には140円台にまで下落。7月30日の終値は158.7円にとどまっている。
「今回の急落でいえば『ソフトバンクグループ』株も成長投資枠の利用者には打撃となったはずです。7月11日には一時1万2000円を超えていたのが、2週間後には9000円台に落ちてしまった。NTT株は半年で約25%下がりましたが、あっという間に同じくらい下落したことになる。ただしNISAはそもそも『長期・分散・積立』がポイントで、毎月、無理のない金額を投じ長い時間をかけて増やしていくもの。個別銘柄を買う人にとっても、この視点は不可欠です」(同)
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