「バフェット」効果で株価急騰…「部長クラスで年収4000万円」「自社株で億り人」という商社マンのリアル

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「退職金は1億円を優に超えます」

 この点、別の大手総合商社の関係者は、

「部長クラスで4000万円、常務取締役ともなれば1億2000万円の役員報酬を得ます。また、部長クラス以上になった者は退職金も1億円を優に超えます」

 と、まさに桁違いの収入面を明かすのだが、前出の男性は商社での働き方について以下のように述べる。

「若い頃は徹夜仕事もありましたし、上司が帰るまで帰れない文化もありました。21時過ぎから同僚と飲みに行ったり、接待に行ったり。週4日は飲んでいた」

 しかし、コロナ禍で様変わりしたようで、

「コロナ流行後は、リモートワークが推奨されて、仕事は個人の裁量に任されるようになりました。働く時間も自分で決められるように。飲み会も以前に比べて劇的に減りました」

 彼には共働きの妻と小学生の二人の子供がいる。コロナ期間中、家族のために墨田区に3LDK75平米の中古マンションを5500万円で購入したのだという。

「住宅ローンの上限は1億5000万円。同期は30歳を超えたあたりから、港区などの都心に1億円前後のタワマンを購入するのが一般的でした。なので、自分のマンションの価格は相当、安い方になります」

 代わりに彼は余剰資金を別荘の購入に充てた。同じコロナ期間中に、関東の海辺にある民泊用の施設を3500万円で買い取ったのである。

「コロナが収束したら観光客が戻ってきて、値上がりすると見込んだのです。資金をキャッシュで持っているよりは得だと思って。実際、現在は民泊用の宿泊施設として活用しています。月平均で50万円近くは売り上げています」

商社の株価急騰で

 また、彼は不動産以外に株への投資も行っており、自社と他社の株を全部で700万円分ほど保有しているのだが、

「悔やまれるのは、マンション購入の際に自社株の大半を売却してしまったことです。ウォーレン・バフェットが20年に日本の五大商社株を大量購入してから、商社の株価は急激に上がりました。うちの会社で一番裕福なのは、30年近く前に入社し、コツコツ自社株を積み立てていた人です。特に独身の一般職の方で、億り人になった女性は一人や二人ではありません」

 もっとも、彼とて生活には余裕がある。

「家電は良いものを買うようにしていて、洗濯乾燥機は30万円くらいするシャープの最上位モデルを使っています。食洗機も10万円ほどのものです。国内家族旅行は年に3〜4回。夏休みは家族で海外旅行にも行きます。ハワイ、バリ、フィリピンのボラカイ島とか、リゾート地が多い。家族4人、1週間で1泊3万〜4万円のリゾートホテルに泊まると、トータルで100万円弱はかかりますね」

 一方で高級車や高級腕時計には興味がなく、

「身に着けるのはアップルウォッチ。最近はフォーマルなスーツを着ないで、5000円くらいのユニクロのジャケットばかりです」

 一昔前のギラついた商社マンというイメージとはかけ離れているのである。

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