蓮舫批判は女性差別…「赤旗」の奇妙な主張に、元共産党幹部は「自分たちがはしゃぎ過ぎたせいで負けたことが分かっていない」

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今でも共産党は蓮舫氏に感謝

「蓮舫さんの敗因の一つとして、共産党があまりにはしゃぎすぎたことが挙げられます。5月29日、都知事選への立候補を表明した蓮舫さんは共産党都議の都庁控え室を訪問しました。都議団は笑顔で迎え、花束を贈呈しました。率直に言って私は『何をやっているんだ』と思いました。あの時、蓮舫さんは出馬を明らかにしただけです。花束は選挙に勝ってから渡すべきで、『共産党は何を浮かれているんだろう』と違和感を覚えた有権者は相当な数に達したはずです。選挙活動というものは、もっと地に足を付けて地道に行うべきものではないでしょうか」(同・筆坂氏)

 赤旗は都知事選の期間中、毎日のように蓮舫氏の動向を1面で伝えていた。実際のところ、共産党がはしゃぐのも、のっぴきならない理由があったようだ。筆坂氏は「共産党は取り残されることが何よりも怖いのです」と指摘する。

「共産党は議員も党員も減り続けています。当初は小池さんと蓮舫さんの一騎打ちと報じられた都知事選に、自分たちが蚊帳の外に置かれることを最も恐れていました。しかし蓮舫さんは共産党との共闘を選択してくれたので、あれほど喜んだのです。共産党にとって蓮舫さんは知名度が高く、参院で連続当選3回の大物政治家です。選挙協力できることが嬉しくて仕方なかったのです。結果は敗北に終わりましたが、今でも共産党は蓮舫さんに感謝していると思います」(同・筆坂氏)

共産党と世論のズレ

 共産党は党員や支持者、赤旗の読者を増やすよう、党員に発破をかけている。70年代には主婦層を中心に支持者を伸ばした実績も持つ。だが、これほど世論とかけ離れた主張を展開して、党員が増えるのだろうか?

「そもそも赤旗を購読していない党員もいるほどです。共産党と一般的な世論のズレは、年を追うごとに激しくなってきました。赤旗はいまだに志位和夫議長の講演内容を1面トップで詳報し、マルクス主義、社会主義を称賛しています。こんなセンスで紙面を作っていれば、世論と乖離して当然でしょう」(同・筆坂氏)

 改めて考えてみると、なぜ赤旗は「蓮舫批判は女性差別」という奇妙な主張を行ったのだろうか。蓮舫氏を擁護し、有権者を説教するような記事を掲載しても、共産党の追い風になるとは思えない。

「共産党は都知事選の結果を善戦と総括しました。しかしながら本当は大惨敗です。蓮舫さんの政治生命を不安視する声すらあるほどで、共産党も敗北の責任を問われても不思議ではありません。そのため赤旗の紙面を使い、『蓮舫さんへの批判はいわれなき女性差別なのだ』と予防線を張ったと指摘されても仕方ないと思います。しかし、赤旗の指摘を突き詰めていくと、蓮舫さんを批判している人は誰でも“差別的”と決めつけていることになります。これは非常に問題でしょう。そもそも蓮舫さんを女性差別という観点から擁護することが正しいのかも疑問です。そっとしておいたほうが、よほどいいのではないでしょうか」(同・筆坂氏)

註:蓮舫氏を激怒させた朝日新聞政治部記者の正体 「目を付けられまくって一ミリも出世しない俺」 汚い言葉遣いで会社側も謝罪(デイリー新潮:7月21日)

デイリー新潮編集部

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