岡田監督の「求心力低下」を懸念する声も…阪神がリーグ連覇を逃しても“チームの将来”が暗くならない理由

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 前半戦が終了したプロ野球。セ・リーグは、1位から4位までが3.5ゲーム差にひしめく大混戦となっているが、開幕前の予想を大きく裏切っているチームと言えば、阪神ではないだろうか。【西尾典文/野球ライター】

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セ・リーグ内でも目立つ阪神の貧打ぶり

 昨年は2位の広島に11.5ゲーム差をつける圧倒的な強さで、18年ぶりのリーグ優勝を果たし、その勢いに乗って38年ぶりの日本一も達成した。今年は4月に引き分けを挟んで7連勝を記録するなど、順調なスタートを切ったように見えたものの、5月以降は失速。前半戦終了時点で、43勝42敗5分け、勝率.506で4位に沈んでいる。

 その大きな原因が、打撃陣の不振だ。チーム打率.225、チーム本塁打数33本はいずれもリーグ最下位。四球数は279でリーグトップである一方で、チーム出塁率.298はリーグ4位である。プロ野球界全体が“投高打低”の傾向が強くなっている中でも、阪神の貧打ぶりが顕著である。

 さらに、主力選手の離脱が多い。昨年は、実に6人の選手が規定打席に到達し、揃って100安打以上をマークした。それに対して、今年は、開幕から一度も登録抹消されることなく、レギュラーで出場し続けている選手は、中野拓夢(全90試合出場)と近本光司(全90試合中88試合出場)しかいない。

 その他の主力野手の登録抹消期間をまとめてみた。

・大山悠輔(6月5日登録抹消・6月21日再登録)
・佐藤輝明(5月15日登録抹消・6月7日再登録)
・木浪聖也(6月16日登録抹消・7月19日再登録)
・ノイジー(5月27日登録抹消・6月14日再登録・6月28日登録抹消)
・森下翔太(7月6日登録抹消・7月19日再登録)

 木浪は、6月15日のソフトバンク戦で死球を受けて、左肩甲骨を骨折して登録抹消を抹消されている。残りの4人はいずれも「再調整」となっている。大山は、開幕前から下半身のコンディション不良を抱えていると言われており、その影響もあったのではないだろうか。

 大山は7月に入って調子が少し上向いてきた。他の選手には、復調の兆しが見られず、ノイジーは二軍暮らしが続く。昨年の優勝メンバーが揃って、前半戦に離脱し、調子を落としていれば、チーム成績がなかなか上向いてこないのも無理はない。

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