「石丸氏は4年後にメディアを出禁にできるか」 中央政界が恐れている唯一のこと
スポットライトが当たることに気持ちよさ
「みなさんに“どう思いますか?”と同じ質問をしています。答えを総括すると、“知名度をキープできている可能性があり、都知事選などにチャレンジして当選することもあり得るが、その後に支持・支援の輪が広がるには課題が多すぎる”といったところでしょうか。“4年後は本命候補発言がダサい”“絶対に飽きられる”などの辛辣な声もありました」(同)
石丸氏自身はどう見られているのか。
「自分にスポットライトが当たることに気持ちよさを感じているのではといった反応が多かったです。メディアや聞き手ごとに対応や答え方がかなり違っているのも計算のうえと見られている様子。ただ、政策についての勉強不足は否めず、“ボロが出るからやめた方がいい”との指摘もありました」(同)
「ビートたけしのTVタックル」出演時には、国政進出時にやりたいことを問われ、社会保障制度改革と答えていた。
「“国政に関わる者にとってはずっと懸案なのですから、何なら小学生でもそう言いますよ(笑)”との声が。まぁテレビで無理に言わされた面もなくはないのでかわいそうなところもあるのでしょうけれど」
首長選の危うさ
主として「石丸人気」を支えているのは既存政党・メディアに不信感を抱く人たちだろう。
「既存政党への不信感についての危機感は共通してあるようでした。随分前から言われてきたのに何となくスルーを決め込んだツケが回ってきているのかもしれません。その中で、メディアを出禁にするみたいな発言(7月16日の配信)は“後で自分に返ってくる可能性が高いのでできれば避けたほうが良い”との意見がほとんどでしたね」(同)
支持政党なしの人や無党派層が最大勢力となって結構な時間が経過した。
「既存政党への深い失望はもちろん、その時々のブームに乗りたい・影響されたい有権者が多くなっているのは間違いない。結果的にちょっとした人気者やインフルエンサーがこれまで以上に当選しやすくなっていて、それが国政選挙なら当選者は“ワンオブゼム”なのでそこまでの影響力を行使できませんが、都道府県の首長選となるとそれに止まらない。着任後に選挙前とはまるで違う本性を見せて“君子豹変す”ることも十分想定され、そのあたりを危惧している人もいましたね」(同)
兵庫県知事・斎藤元彦氏の場合
県幹部による告発文書問題に揺れ、「おねだり」「パワハラ」などといった言葉と共に報じられている兵庫県知事の斎藤元彦氏。県幹部2人が死亡していることが明らかになっているが、斎藤知事についても、前任知事時代の副知事らを破った2021年の選挙時と現在とでは県民の受け止めはかなり変化があったことは否めない。それを踏まえれば「都道府県の首長選」の怖さや本質を示している一例と言えるのかもしれない。
話を石丸氏に戻してまとめると、彼自身への脅威は国政的にはほぼないが、石丸的インフルエンサー人気で首長選に少し波風が立つかもしれない……という受け止めが永田町関係者では多いというところのようだ。そんな既存の政治家たちが「そういう見方があなたたちの“おごり”だったんですよ」と石丸氏に言われる事態が来るかどうか。
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