「ブラックペアン2」原作とはかけ離れた設定も…「セクシー田中さん」のような問題が起こらない理由

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原作での主人公は長身

 出版社関係者がこう解説する。

「シーズン1の原作である『ブラックペアン1988』の冒頭で佐伯教授が登場しますが、容貌は白い眉毛でオールバック。しかし、内野聖陽演じる佐伯教授の眉は黒々としていて髪は真ん中分けで、渡海は長身の中年でぼさぼさの髪となっています。

 一方、『ブレイズメス1990』『スリジエセンター1991』の主人公・天城は彫り深い貴族のような顔立ち。イタリア・ルキノ社の社長を手術した謝礼としてせしめた世界的名車ガウディの特注品であるヴェルデ・モトと、マリツィア号と名付けた黒いハーレー・ダビッドソンを乗り回す表情豊かで自由奔放な人物として描かれています。しかし、ドラマで天城がバイクや車を乗り回すシーンは今のところ登場していません」

 原作との違いをめぐっては、23年10月期に放送された日本テレビ系ドラマ「セクシー田中さん」の原作者・芦原妃名子さんが他界し、テレビ業界に強い衝撃を与えた。この問題を踏まえて、同局は7月22日、「ドラマ制作における指針」を発表して「原作を尊重」「放送1年前には原作側とドラマ制作側で企画に対して基本的な合意を作るように努める」という取り組みを明らかにした。「ブラックペアン」シリーズについて原作者とドラマ制作サイドとの間に意見の違いはないのか。

 前出の放送ライターがこう明かす。

「原作での主人公は長身という設定で小柄な二宮とは印象が正反対です。しかし、(原作者の)海堂さんは18年放送の『ブラックペアン』の打ち上げの席で、TBSの伊與田英徳プロデューサーに続編のアイデアを伝えて、続編の制作を希望したといいます。ドラマのホームページでも海堂さんは『ダメ元でお伝えして6年、ついに念願叶ってうれしいです』と大喜びしています。

 ですから、設定が変わったことについて異論はないようですし、むしろ、『私の予想を上回る素晴らしいドラマを作り上げてくださることでしょう』とTBS独自の演出に大きな期待を寄せています。もちろん、漫画と小説という違いはありますが、今作に限って言えば『セクシー田中さん』のように話がこじれる心配はなさそうです」

 原作の最後は極めて悲しい展開となるが、ドラマの結末は、さて――。

デイリー新潮編集部

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