阪神・才木浩人、日本ハム・田宮裕真…人気若手選手の“高校最後の夏”を振り返る！
今年のオールスターファン投票は、セ・リーグ先発投手部門で阪神・才木浩人、パ・リーグ捕手部門で日本ハム・田宮裕真がトップで球宴初出場をはたすなど、フレッシュな顔ぶれの躍進が目立った。そんな彼らの知られざる高校球児時代をプレイバックしてみよう。【久保田龍雄／ライター】
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“公立の星”と呼ばれた才木浩人
中2の秋に捕手から投手に転向した才木は、強豪校から声がかかるほどの注目選手ではなかったため、兄と同じ須磨翔風に進学し、「強豪校を倒す」ことを目標にした。
当時は体重70キロと細身で、直球も120キロ程度だったが、毎日おにぎり6個を授業や練習の合間に食べ、体幹トレーニングに励むなどの努力の末、80キロに増加。1年秋には最速143キロをマークした。
エース番号を手にした2年春の兵庫県大会では、ブロック予選で第2代表となり、県大会でも3勝して4強入り。夏の県大会でも、才木は2回戦の神戸商戦で4安打9奪三振完封を記録するなど、チームを8強に導き、“公立の星”と呼ばれた.
そして、プロのスカウトからも“藤浪（晋太郎）2世と”熱い視線を注がれた2016年夏、才木は1回戦の尼崎稲園戦で自己最速に2キロ及ばないものの、146キロを計測し、5回を1安打ゼロ封。
次の相手は、くしくも3年前の夏に県大会5回戦で兄のいたチームを下した報徳学園とあって、「やりたかった相手。自信のある真っすぐで抑えたい」と闘志を燃やした。
ネット裏に日米25人のスカウトが集結した報徳戦、才木は5回まで1点に抑え、6回表に味方の援護弾で1対1の同点となった。
だが、その裏、「何とか3人で抑えようと思って力んでしまった」のが裏目に出て、先頭の3番・佐藤直樹（現・ソフトバンク）に場外弾を浴びてしまう。これが決勝点となり、1対5で敗れたが、「この仲間と戦えて本当に良かった。もっと真っすぐで押せる投手になりたい」とさらなる飛躍を誓った。
ちなみに報徳はこの試合で、トップバッターに抜擢された1年生・小園海斗（現・広島）が3回に先制点につながる安打を放つなど、才木から2安打を記録。2点差の7回1死二、三塁のピンチでは、ショート後方にポトリと落ちそうな飛球を背走して好捕と、才木目当てのスカウトたちの前で、攻守にわたって存在をアピールしている。
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