巨人の新外国人…モンテスに期待する理由【柴田勲のコラム】

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下位打線をいかに充実させるか…モンテスに期待

 先発陣もさることながら守護神・大勢が完全復活したことも大きい。以前は上体の力で目いっぱい投げていたが、ここにきて7、8分の力で投げるようになった。

 大勢につなぐまでの中継ぎ陣も充実している。高梨雄平、船迫大雅、アルベルト・バルドナード…昨年の救援陣とは大違いだ。今季の巨人の好調さを象徴している。

 打線は1番に丸佳浩が定着して2番・吉川尚輝、3番・エリエ・ヘルナンデス、4番は不動の岡本和、5番・大城卓三…やっと上位打線が固まった。

 とはいえ、頼りにするのは岡本和だ。主砲の一打・一発は打線を鼓舞する。あとは下位打線をいかに充実させるかだが、新外国人選手、27歳のココ・モンテス内野手に大いに期待したい。

 26日のDeNA戦(横浜)はベンチスタートとなりそうだが、阿部慎之助監督はいずれ遊撃を中心に使うのではないか。打順は7番だろう。

最低10試合は

 イースタンの成績を見ると5試合に出場して14打数8安打で打率5割7分1厘、4打点を挙げている。強打で内野ならどこでも守ることができるのが売りだ。

 立派なものだ。どれだけ速い球に対応できたかどうかがポイントだが、他球団のファームにもいい投手がたくさんいる。不慣れな日本に来て、不慣れな日本の投手をこれだけ打っている。期待値は高くなる。使うなら、多少打てなくても黙って最低10試合は使ってほしい。

 門脇誠や泉口友汰を使っても二人に打撃面で多くを期待できない。ならばモンテスにできる限りチャンスを与えてもいい。

 内野ならどこでもOKということで内野のさまざまな布陣が考えられる。岡本和はもちろん、このモンテスの出来が巨人の後半戦のカギを握るかもしれない。

 気になるのは坂本勇人だ。なかなか結果を出すことができない。本人はもがき苦しんでいるのだろうが、まだ35歳だ。いまは野手の選手寿命が伸びているし、まだまだこれからだ。坂本が復活すれば打線は鬼に金棒だ。

 巨人の残り試合は54、強力先発4本柱に打線は1番と4番がキッチリ固まった。あとは下位打線の充実に尽きる。上位4チームの大混戦が続いても、四つどもえから最後は巨人が抜け出すとみている。

 後半戦、いいスタートを切ってほしい。(成績などは25日現在)

柴田 勲(しばた・いさお)
1944年2月8日生まれ。神奈川県・横浜市出身。法政二高時代はエースで5番。60年夏、61年センバツで甲子園連覇を達成し、62年に巨人に投手で入団。外野手転向後は甘いマスクと赤い手袋をトレードマークに俊足堅守の日本人初スイッチヒッターとして巨人のV9を支えた。主に1番を任され、盗塁王6回、通算579盗塁はNPB歴代3位でセ・リーグ記録。80年の巨人在籍中に2000本安打を達成した。入団当初の背番号は「12」だったが、70年から「7」に変更、王貞治の「1」、長嶋茂雄の「3」とともに野球ファン憧れの番号となった。現在、日本プロ野球名球会理事を務める。

デイリー新潮編集部

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