【兵庫県職員・2人目の死者】県が公表を3ヶ月間も引き延ばしたロクでもない理由…同僚は「絶対におかしいという気持ち」

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「個人情報を出せとは言ってない」

竹内:私はこの発言をするにあたって、告発文書をどうこうするつもりは一切ございません。これは人間として、一緒に働いてきた方々が「絶対におかしいという気持ちでいるんです」とおっしゃったので、今日、取り上げさせていただきました。「部長は遺児育英資金をやらないといけないという思いが強かったのに、それを止めた人間がいるんだ!」という話が届いています。(中略)個人情報を出せなんて言ってないんですよ。それとは別に遺児育英資金はやるべきだと思っておりますが、個人情報のことだと言われますと、これ以上は言えませんので、これで終わらせていただきます。

理事:ご想像の職員につきましては、私も一緒に仕事をしました。県民センターでは直属の部下でもありました。一緒に仕事をして、本当に感謝しております。仲間の皆さんの思いも十分に、十分にわかります。そういった上で、守るべきはご家族、ご家族のプライバシー、いろんなアクションがないようにするのが我々の務めですから、職員の皆さんもその辺りはご理解をいただいて、プライバシーを守っていくご配慮をいただければと考えております。どうかよろしくお願いします。

 この件はここで終了した。ある県職員は言う。

「会議の様子は先週末にYouTubeで公開されました。どうやらそれが拡散されたようで、県には抗議の電話が殺到したんです。それで突然、県職員に向けて課長の訃報が公にされたのです」

 なぜそこまで隠さなければならなかったのだろう。

労災認定を避けるため?

「実を言うと、竹内県議は今回、公務災害認定請求についても質問したかったようなのですが、担当者がその場にいないことで取りやめました。この請求をさせたくなかったからではないかと言われています」

 公務災害認定請求とは、地方公務員のいわゆる労災だ。

「公務災害の認定は兵庫県ではなく、地方公務員災害補償法に基づき地方公務員災害補償基金が行うのです」

 県はその認定をされたくなかったというのだろうか。

「被災職員は所属長に認定請求を行い、所属長は災害発生の証明を任命権者に行わなければなりません。それが基金へと届けられるわけですが、その過程で、なぜ課長が精神を壊すまで働かなければならなかったのかが、詳しく調査されることになるからと言われています」

 告発文書にある【優勝パレードの陰で】、つまり「経費の不正疑惑」がクローズアップされることになる。告発文書が指摘した闇は深い。

デイリー新潮編集部

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