やはり自民党はデタラメ…裏金の「世耕弘成参院議員」が今ごろ県連会長代行を退任、未だ消えない衆院鞍替え説に地元は戦々恐々
7月19日、和歌山のマスコミが以下のニュースを報じた。
【写真を見る】元キャスターの夫人とのツーショット。足元が覚束ない二階幹事長の姿も
<18日、自民党和歌山県連は新執行部の人事を発表し、県連会長代行だった世耕弘成・前党参院幹事長が離党を理由に役職から外れた>
「裏金問題」で離党勧告を受け、4月に党を離れていた世耕議員がようやく県連の会長代行職を退任したというものだ。党籍もない世耕氏がよく3カ月もの間、県連の要職に居座ることが出来たものだが、その裏には一体、何があったのか。
「功労者だから……」
自民党安倍派の5人衆の一人にして、参院幹事長を務めてきた世耕氏が、裏金問題の余波で離党したのは4月4日のこと。彼自身、政治資金収支報告書に1542万円の不記載があり、また、全体で6億円超もの裏金が発覚した派閥の、参院側のトップを務めていたわけだから、塩谷立座長と共に最も重い「離党勧告」の処分を受けたのは当然だった。
常識的に考えれば、離党に伴い、県連も離れるのが筋。しかし、前述のように、地元・和歌山県連では会長代行の要職に就き続けてきた。
自民党和歌山県連の関係者が振り返る。
「世耕さんの会長代行の任期はこの6月末までした。そのタイミングで役から外れたということでしょうが、本来なら、離党が決まった時点で、まずは世耕さんが自分で身を退かなければならないはず。それをしなかったのは理解できませんし、県連執行部がそれを認めていたのも疑問です。うちの県連では、この3月に青年局の破廉恥パーティーも発覚し、ただでさえ世間の風当たりが強いのに、裏金の象徴の一人でもある世耕さんを要職に付けていては、ますます逆風は強まります。もちろん県連内にも、さっさとケジメをつけろという声は出た。しかし“世耕さんは功労者だから役職を解くべきではない”と、それを鎮めようとする声もあったんです」
政治資金パーティーを開催
背景には、ここ数年続く、和歌山県連内部の勢力争いがある。
「世耕さんは総理になりたいとの野心が強く、かねて衆院への鞍替えを模索していました。彼が熱望していたのが、国会議員だった祖父や伯父が地盤としていた和歌山3区(田辺市、新宮市など)です。しかし、ここでは大実力者の二階(俊博・元幹事長)さんが当選を重ね、なかなか入り込むことは出来ませんでした」
こうした両者の距離がさらに広がったのは、2年前の知事選だったという。
「二階さんや鶴保(庸介・参議院議員)さんは、和歌山一区で国民民主党から当選していた岸本周平さんに白羽の矢を立てた。しかし、それに反発したのが世耕さんや、石田真敏元総務大臣です。世耕さんは自分のお眼鏡にかなった総務官僚を出馬させようとしましたし、石田さんは“元民主党の国会議員を応援するわけにはいかない”と反対した。結局、二階さんの意向が勝り、岸本さんが知事選に出馬、当選しましたが、以後、二階・鶴保VS世耕・石田という鍔迫り合いが続き、県議たちも両系統に色分けされました」
今回の会長代行職留任も、こうした対立が関係しているという。
「世耕さんを辞めさせようとすれば、その配下の議員との軋轢が生まれる。面倒な事態が起こるのを恐れ、触らぬ神に、とばかりにそのままにしておいたということです。“世耕さんは離党したけど、党員ではあるから”などとの訳のわからない理屈を述べて正当化している人もいました」
先にも指摘した通り、常識的に考えれば、世耕氏は自ら役職を辞すのが筋だろう。しかし、本人にその気は毛頭なかったようだ。
「彼自身、反省しているというより、ほとぼりが冷めるのを待っている雰囲気に見えます。復党して再び総理を目指す気は満々で、そのためにも、影響力の保持に躍起でした。パーティー開催をあれだけ批判されたのに、6月には東京都内で政治資金パーティーを開きましたし、7月の安倍元総理の三回忌には、子飼いの参院議員を引き連れて銃撃現場に向かい、手を合わせていました。県連の要職にも出来るだけ長く残り、自らの勢力を保ちたかったのかもしれません」
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