アンチ6代目山口組の「池田組長・織田会長」ダブル逮捕 捜査当局が狙う数億円レベルのカネの流れ
「1億円借りたのはウソ」の容疑
大阪府警捜査4課は7月9日、指定暴力団・絆會(本部:大阪市中央区)が所有する不動産を担保にした金の貸し借りをめぐって虚偽の登記をしたとして、絆會の織田絆誠(本名:金禎紀)会長と池田組(本部:岡山市北区)の池田孝志(同:金孝志)組長の2人を電磁的公正証書原本不実記録・同供用容疑で逮捕した。この不動産に関する話はかねてヤクザ界隈では広く知られていたことだが、このタイミングでの逮捕が憶測を呼んでいる。今後を展望してみた。
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「2020年2月、絆會などが所有する大阪と神戸の土地と建物を担保に池田組長の親族とされる女性が織田会長に最大で1億円を融資したとされる登記をしましたが、それがウソではないかとの疑いが持たれています。大阪府警は、実際には親族女性ではなく、池田組長本人から織田会長に1億円に近い額が渡ったとみているようです」
と、担当記者。この担保は2023年8月に解除されている。その4か月前、同年4月に発生したのが、神戸市長田区のラーメン店で発生した「ラーメン組長」射殺事件だった。
金満組織として知られ
ラーメン組長射殺事件との関連は後述するとして、この間の組織の状況を整理しておこう。
2020年2月、池田組サイド(登記上は親族女性)から絆會に「最大で1億円の融資」が実行された時点では、池田組は神戸山口組の傘下にあった。
しかし、その5か月後に神戸山口組を脱退。以降、池田組と絆會は運命共同体の関係に発展したとされる。
「池田組の関連組織は岡山市内の土地を多く所有する地主であり、不動産賃貸業や金融業で財を成し、ヤクザ界隈では金満組織として知られています。池田組が絆會に対しても資金援助していることはかねて噂されてきたことではありますね。今回の逮捕に結びついた虚偽の登記が池田組の脱退前に行われたことについて、神戸山口組側に絆會との連携を隠す必要があったからではないかとの見方が広がっています。登記上は、池田組ではなく、親族女性が表に出ていますからね。それにしても誰もが閲覧可能な登記情報に、こんなやり取りの実態を残すこと自体、首をかしげる捜査関係者も少なくありません」(同)
ここで噂されてきたのが、「ラーメン組長」射殺事件との関連だった。
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