「LINEグループが円満の秘訣かも」 全員70代! J-POP「伝説のミュージシャン」バンドを松任谷正隆が語り尽くした

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「結婚しようよ」のメンバーだった

 7月、アルバムの音が完成したタイミングで、松任谷のもとに吉田拓郎からメールが届いた。音楽制作についての内容だった。そのレスポンスに松任谷は「Collage」を全曲添付した。

「拓郎の『結婚しようよ』のメンバーだよ」

 そうコメントを付けて――。

「拓郎は刺激を受けたみたいです。『結婚しようよ』は、林と小原と僕が演奏しています。加藤和彦さんがキャスティングしました。その後、1970年代の拓郎のツアーは僕がバンマスを務め、茂がギターを弾きました。だから、SKYEのサウンドは、拓郎は嫌いじゃないはずです」

 吉田拓郎は2022年をもってミュージシャンを引退するとしたが、最近はベスト・アルバムをリリースしたり、曲を書いたり、徐々に活動を再開しつつある。

「ミュージシャンって、なかなかやめられるものではありませんよ。1970年代に、アメリカで、ボブ・ディランとザ・バンドが一緒にレコーディングし、ツアーをまわっていました。あのころ拓郎は、自分と僕のことをディランとバンドの関係と語っていました。実際に僕たちはそういう音楽をつくっていて、ボブ・ディラン&ザ・バンドを意識することで意気投合していたんです。一緒にレコーディングして、ツアーをまわりました。今の拓郎とSKYEが一緒にやったら、あのころよりももっといいライヴができると思いますよ」

3枚目はきっとキラキラしたアルバムに

 アルバムを2枚つくり、ツアーをまわり、手ごたえをつかんだ松任谷は、SKYEにいよいよ本腰を入れている。

「自分のところのスタジオを整備しました。事務所にあるリハーサル・スタジオにレコーディング用のコンソールを入れて、上のフロアとワイアでつなぎました。数千万円のコストをかけています。そこで『Collage』をレコーディングしました。これからは、発想が浮かんだときにいつでも音づくりができる環境です」

 すでにこの先への展望もあるのだという。

「次の3枚目はきっとキラキラしたアルバムになるんじゃないでしょうか。2枚目の『Collage』でたぶん4人とも充実感を覚えて、次はいろいろと新しいことにチャレンジしたいと思っているからです。でも、4枚目は分裂してバラバラになっちゃうかもしれません。さらに次の新しい音をつくりたくなって。バンドって、たいがいはそういうものですから」

神舘和典(コウダテ・カズノリ)
ジャーナリスト。1962(昭和37)年東京都生まれ。音楽をはじめ多くの分野で執筆。『不道徳ロック講座』など著書多数。

デイリー新潮編集部

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