石丸伸二氏「そこまで言って委員会」が”重大な転換点”に…今後はバラエティやワイドショーへの出演は控えたほうがいいと思う理由

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泉房穂氏との論争で敗北

 一方、「そこまで言って委員会」の場合、そもそも番組のコンセプト自体にパワハラ的なところがあるという。

「手練れの論客が繰り広げる丁々発止の大激論を楽しむ視聴者も多いでしょうが、『パワハラの応酬に過ぎない』と拒否反応を示すネットユーザーも同じように多いのです。そして私は石丸さんがネットユーザーから特に不評を買ったのは、元明石市長の泉房穂さんとの議論だったと思います」(同・井上氏)

 番組で石丸氏は、安芸高田市長として小中学校の給食費無償化を実現したと発言。そして泉氏に対し、「明石市は小学校と中学校の両方で無償化は行っていない」との指摘を行った。

 これに泉氏が「給食費だけでなく、医療費、保育費の無償化を実現し、児童手当や奨学金の整備、児童相談所の新設なども行った」などと反論し、安芸高田市はそこまで「やってないでしょ」と畳みかけた。

 石丸氏が「あの……」などと言い淀むと、泉氏は「答えてください、イエスかノーで」と詰問。すると一瞬のことだったとはいえ、石丸氏は言葉に詰まってしまった。

「大前提として、石丸さんと泉さんのやり取りを『パワハラ的な言い合いの応酬でうんざり』したというネットユーザーは少なくありません。その上で、石丸さんは泉さんに論破されたと多くの人が受け止めました」(同・井上氏)

コアなネットユーザーの真摯な批判

 結果、「石丸さんには落胆した」という投稿がSNSでは目立った。井上氏は「これは重要な転換点だと考えています」と言う。

「開票特番のパワハラ的発言は『マスゴミを懲らしめるため』という大義名分がありました。しかし今回はパワハラ認定され、なおかつ論破されてしまったわけです。『何だ、無能なパワハラ上司と石丸さんは全く同じタイプじゃないか』と受け止められてしまったのです」(同・井上氏)

 これまでにもネット上では、石丸氏に対する批判が指摘されてきた。中でも多かったのが【1】安芸高田市長時代など、強権的な一面が垣間見える、【2】市長の任期をまっとうせず、放り出してしまった、【3】あまりに経歴がエリート過ぎて共感できない──の3点だった。

「都知事選の最終盤、この3点の批判は沈静化していました。ところが『そこまで言って委員会』が放送され、石丸さんが“パワハラ認定”されると、これらの批判が再び蒸し返されています。『やっぱり強権的じゃないか』、『やっぱり市長を放り出すような人間じゃないか』という具合です。コアなネットユーザーの真摯な批判は、一発ノックアウトという派手さはありませんが、ボディーブローのように今後、じわじわと効いてくるはずです。やはり石丸さんは出演すべきテレビ番組の選択を間違えてしまったと思います」(同・井上氏)

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