「片足を母犬に食われた犬を生きたままゴミ箱に…」埼玉81歳ブリーダーの残虐非道を放置した行政とオークション業者、大手ペットショップの責任

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クーアンドリクは「年間4頭以下」の取引があったと回答

 オークション業者から購入して犬を購入して、消費者に販売していたのがペットショップである。業界最大手の「Coo&RIKU」は次のように回答した。

〈弊社においてご指摘のブリーダーとの直接取引は過去一度もございません。オークション経由での仕入れのみとなります。過去3年間において、2021年は0頭、2022年以降は年間4頭以下でした〉

〈このような事件が発生したことは大変遺憾であり、断じて許されることではございません。弊社としては、オークション運営会社への働きかけをしていくと共に、引き続きオークション経由での仕入れ率を下げ、直接管理できるブリーダーとの取引を進めて参りたいと考えております。また、弊社としても今回の事件を業界全体の大きな問題と捉え、状況改善に向けた行動を進めて参りたいと考えております〉

 問題は、業界がこの事件を過去のものとして葬り去ろうとしている節がある点だ。

「7月17日に自民党動物愛護議員連盟の総会が行われたのですが、今回の事件に関する再発防止に向けた議論はありませんでした。きちんと動物を飼育・管理していくための台帳作りをブリーダーに義務づけるべきだという声も上がりましたが、全国ペット協会の小島章義会長は『台帳の公開に関しては実効性を含めて慎重に意見交換をしていきたい』と後ろ向きな発言をしていた。業界は自らを律し、自浄作用を働かせる気などないのです」(ペット業界関係者)

 一方、あるブリーダーは事件の影響についてこう不安を漏らす。

「私たちみんながこんなデタラメな繁殖をしていると誤解されるのが怖い。犬を慈しみ、我が子のような気持ちで育てて、大切にしてくれる客のもとへ届けているブリーダーも大勢います」

 動物愛護活動家で知られる「公益財団法人動物環境・福祉協会Eva」代表の杉本彩さんはこう憤る。

「オークション業者やペットショップは自分たちの利益を優先するばかりで、悪徳ブリーダーを排除する努力を全くしていない。行政もおざなりな指導を繰り返すばかりなので、悪徳業者がのうのうと生き延びてしまうのです。いくら動物愛護法を改正して規制を強化しても、行政が本気で取り締まろうとしない限り、ペット業界の動物虐待は一向になくなりません」

 そして消費者にこう呼びかける。

「かわいい子犬・子猫が欲しいと衝動買いする前に、その子の母や父がどんな環境にいたかをちゃんと調べて欲しい。それが動物を飼う人の責任です」

 動物たちの“声なき声”はいつになったら社会に届くのであろうか。

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