「片足を母犬に食われた犬を生きたままゴミ箱に…」埼玉81歳ブリーダーの残虐非道を放置した行政とオークション業者、大手ペットショップの責任
犬3匹を殺した容疑で逮捕され、40万円の罰金だけで放免となった埼玉県毛呂山町の元ブリーダーA(81)。なぜ残虐非道な行為は長年放置されてきたのか。行政、オークション業者、ペットショップの責任を問う。(前後編の後編)
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【写真6枚】まさにポツンと一軒家。田園地帯に構える高い塀に囲まれた「地獄の犬舎」
ケージに貼られていた“いる”と書かれたガムテープ
一日中ケージに閉じ込められ、真夏も水1回の“監獄”の中で繁殖犬たちは次々と倒れていった。彼らは糞尿まみれになってもシャンプーをしてもらえず、中には耳ダニで柔道の選手みたいに膨れ上がった耳をした犬たちもいた。衰弱しても獣医にも診てもらえず、使えないと判断されたら窒息死させられた。
前編では、Aが経営していた繁殖場をよく知る関係者の話を元に、おぞましき「監獄」の実態を伝えた。
地獄のような環境で産まれ落ちた子犬たちの一部も悲惨な運命を辿った。
「このような環境では出産しても母犬には過度なストレスがかかります。子犬の片足を食べてしまった母犬もいましたが、Aはその子犬を生きたままゴミ箱に捨てていた。死産した子犬を草むらの中へ放り投げていたのを見たこともある」(関係者)
そして、育った子犬たちをオークション業者に売りに行くのだが、どの子がどの親から産まれてきたかはもはやわからない状態だったという。
「そもそも繁殖犬には名前もついていない。施設の中では死んだ犬が2~3日ほったらかにされていることもあった。ケージに“いる”とマジックで書かれたガムテープが貼られていたことも。交配を担当していた娘が、Aが勝手に口減らししないように伝えるためです」(同)
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