「犬3匹を窒息死」の81歳ブリーダーに“たったの”罰金40万円「一日中ケージに閉じ込められ真夏も水1回」の“監獄”で息絶えた犬たちの無念

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自分たちは「週に1回温泉旅行」

 犬たちはもはや喜怒哀楽という感情を失っていたと振り返る。

「みんなただ生き抜こうと必死でした。人が通りかかると救いを求めるように、ギャンギャン泣き喚いていた」

 十数匹と少数だが猫部屋で飼っていた猫たちも悲惨だった。

「目ヤニがすごくて目が開いていない猫、骨と皮だけの猫も。Aは『なかなか産まれないんだよ』と話していました」

 一方で、自分たちは施設内にあるクーラーや風呂のある快適な住まいで悠々自適に暮らしていた。

「月曜日に蓮田のオークションで犬を売った帰りには、一家で外食したり買い物したりして夕方に帰ってきます。たまに火曜日は久喜にも行っていました。『久喜は取っ払い(現金払い)だからいいんだよ』って。ほか週に1回はどこかへ温泉旅行に出かけます」

 関係者が語ったのはここ数年の話である。Aはこの地で20〜30年以上前からブリーダー業を続けていた。何百匹、あるいはそれ以上の犬たちが犠牲になっていた可能性もある。

「ヤバさに気づいていたのは2~3件のご近所くらい。住宅街からも離れ、さらに高い塀で覆われているので近隣住民のほとんどが実態に気づいていなかった。彼は外面がとてもいい。むしろ評判が良かったくらいでした」

後編では、商品にならないと判断すれば、子犬すらゴミ箱に捨てたAの所業を伝える。直近3年間で12回も指導に入りながら、営業を止められなかった行政の問題、取引してきたオークション業者と大手ペットショップの責任を問う。

デイリー新潮編集部

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