「犬3匹を窒息死」の81歳ブリーダーに“たったの”罰金40万円「一日中ケージに閉じ込められ真夏も水1回」の“監獄”で息絶えた犬たちの無念
痒くて首を振り続けて「首が変形してしまった犬」
しかも、このふやけた餌以外の水は一切与えられなかったというのだ。
「Aは水をあげると下痢する、と言うのです」
真夏も同様だった。犬舎にはクーラーはない。扇風機があったが、パートが帰る午後7時くらいには完全に止められ、戸と窓は完全に締め切られる。
「朝行くと目や鼻に突き刺さるようなものすごい臭いが立ち込めています。夜の暑さに耐えきれず死んでいった犬が何匹もいた」
しかも、毎週月曜日は食事すら与えられなかったという。一家で蓮田のオークション業者に犬を売りに行く日だからだ。糞尿にまみてもシャンプーなどしてもらえない。不衛生なため多くの犬が皮膚病を発していた。
「ただれて毛が抜けていってしまうのです。施設には薬などありません。カネがかかるから。当然、獣医などに見せることもない。耳ダニがすごくて、特にマルチーズはほとんど耳が腫れ上がって柔道の選手みたいに塞がっていた」
犬たちは痒さのあまり、爪で首や耳の後ろなどを引っ掻き続けていたという。
「プードルはみんな血だらけになっていた。耳が痒すぎて頭を振りすぎて、首が斜めに変形してしまった犬までいた。爪切りもしないので、ケージの下の網に爪が引っかかって抜けなくなり、パニックになって暴れて余計網に絡まってしまう犬も。肉球が挟まって鬱血してしまうんです」
水浸しになったビニール袋の中で息絶えた犬たち
そうして死んでしまった犬の遺体は、
「一般ゴミと混ぜて業者に出していた。ビニール袋に新聞紙を入れてカモフラージュする」
さらに、病気が進行し “使い物にならない”とAが判断した犬は窒息死させられた。
「まず“軽便カゴ”と呼ばれる子犬を運搬するためのかごに入れます。成犬だと狭くて動けなくなるくらいの小さなかごです。それをビニール袋で包み込み、空気が漏れないようにガムテープでびっしり塞ぐ。あとはそのまま放置です」
関係者はこのように“処刑”された犬の遺体を少なくとも10匹は見たと話す。放置された犬は翌日、呼気で結露したビニール袋の中で息絶えていたという。
別の施設に連れて行かれて放置された犬たちもいた。
「昨年、Aは茨城県にもう一つの犬舎を作り、別の名義人を立てて商売を拡大させようと考えた。だが結局、名義人が見つからなかった。そして飼育頭数制限オーバーを指摘する保健所の目をくらませるための隠し場所にも使い出したのですが、連れて行ったところで誰も面倒を見る者がいない。現地でそのまま捨てられたり遺体になって帰ってくる犬が何頭もいた。結局、口減らしのための施設になったのです」
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