「犬3匹を窒息死」の81歳ブリーダーに“たったの”罰金40万円「一日中ケージに閉じ込められ真夏も水1回」の“監獄”で息絶えた犬たちの無念

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3年前まで施設にいた「150匹の犬」はどこへ消えた?

 7月17日、川越区検はAを動物愛護法違反罪(殺傷)で略式起訴し、同日、川越簡裁は罰金40万円の略式命令を出した。尊い命を粗末に扱っておきながらあまりに軽い処分である。

「Aは取り調べに『繁殖に使えなくなった犬を生かしておくと経費がかかる。行き場のなくなった犬の責任をとるつもりで殺した』と供述した」(担当記者)

 だが、これから紹介する施設の事情に詳しい関係者の話を聞けば、この「責任」という言葉がどれほど薄っぺらいものかがわかるだろう。

「3匹は容疑として切り取られた数字に過ぎない。私が知っている数年間だけでも、殺されたに等しいと言える犬は少なくとも100匹以上います」(以下、「」内は関係者の話)

 施設には3年前までおよそ330匹の繁殖犬がいたという。埼玉県警が摘発した時に残っていたのは179匹の犬と猫13匹だった。

「差し引いた数の大半が、病気や、餌を与えず放置されたりして死んでいます。Aが直接手をかけた犬も3匹では済まされません。口減らしのために茨城県にある別の施設へ連れて行かれた犬たちも大勢いる。まさに地獄の犬舎でした」

運動はなしで一日中「ケージ暮らし」

 施設の従業員は保健所には6人いると申告していたが、実質的には4人しかいなったと関係者は語る。

「Aは基本的には餌やりしかやりません。施設の名義人であるAの娘は交配を担当し、たまにAが忘れた時に餌やりを手伝う程度で、掃除はパートの女性2人が受け持っていた。敷地内にある住居にはAの妻も住んでいましたが、一切関わっていませんでした」

 平屋の犬舎には8つの部屋があり、6つが犬部屋、1つが猫部屋になっていたという。

「1部屋に50匹くらいが積み重なったケージの中に入れられ、1日中出してもらえず暮らしていました。Aは保健所に対して『運動場がある』と申告していましたが、そこは駐車スペースになっていて、運動させているところなど見たことはない。一度あそこの施設でケージに入れられたら、交配やお産の時以外は外に出してもらえません」(以下、「」内は関係者の話)

 食事もケージの中で1日1回。しかもAの気分によって時間が変わったという。

「10時くらいの時もあれば昼になる時もある。水でふやけさせた餌がたくさん入ったタライを台車に乗せて部屋を回り、目分量で皿に盛ってケージの中に入れていきます。4部屋くらいやって、残り2部屋は夕方まで忘れたままなんて時も頻繁にあった」

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