妻の連れ子に迫られて、妻の妹と不倫して… 40歳夫の“自己満足”が招いた「人生2度目」の悲劇

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遠距離でも続けた関係

 2年ほど続いたころ、美帆さんが転勤になった。これで離れられると思ったものの、考えてみたら美帆さんと離れるなどできるわけがないと思い至った。

「無理だ、関係を続けてほしいと美帆さんに頼みました。ちょうど潮時よ、これで姉を苦しめなくてすむんだからと美帆さんは言う。でも僕は、だったらとりあえず離婚する。もう一度、僕と出会ってほしいと訴えました。自分でも信じられないくらい涙があふれてきて、どうにかなってしまいそうだった。好きでたまらない、苦しいと悶絶していた理子ちゃんの気持ちが痛いほどわかりました。人を好きになって苦しいと思ったのは、美帆さんに対してが初めてだった」

 とはいえ、何の罪もない今日子さんに離婚を切り出すこともできなかった。転勤になった美帆さんのもとへ、周一さんはときどき出かけては逢瀬を重ねていた。美帆さんも実際、転勤してみたら知らない土地で心細かったのだろう。ふたりとも知っている顔に出会わないから、どこか解放された気持ちで会うことができた。

「5年前、美帆さんが東京に戻ってくる日が決まっていたんですが、どうしても会いたくて、出かけていったんです。ふたりで部屋にいたら、いきなり理子ちゃんが訪ねてきた。理子ちゃんはすでに就職していて、たまたま美帆さんの転勤先の土地に出張だったんだそう。チャイムが鳴ってモニターに理子ちゃんの顔が写ったとき、僕は体が固まりました。オートロックだから、結局、そのまま無視したんですが、翌日、どこかで理子ちゃんに会ったらどうしようと思い、タクシーを呼んでこそこそ隣町の駅から電車に乗りました。それでも見られたらアウトですけど……」

今日子さんの「爆弾」

 もうこんなことはやめようと美帆さんが言った。東京に戻ったら、義理のきょうだいに戻ろう、と。あのとき、美帆さんの意見をすんなり聞いていればよかったのかもしれない。

「美帆さんは東京に戻ってきてから、中古マンションを購入したんです。そろそろ買っておかないと老後が心配だからって。引っ越し祝いと称して、今日子と理子ちゃんと僕が集まった。そのとき、ふいに今日子が『あなたたち、どうするの?』と爆弾を投げ込んできたんです」

 今日子さんは、妹と夫の関係を知っていた。最初は理子さんが気づいたそうだ。あのふたり、なんだかおかしいと。

「今日子はやけに落ち着いていました。美帆さんは『もう切れてるから』と一言。え、え、そうなのと僕は内心、焦りまくっていました。今日子は『離婚届は送るから。やっぱりどこかの段階で同居すればよかったわね』と言いました。理子ちゃんは就職してからも母親と一緒に住んでいたから、結局、僕と今日子は完全同居に至らなかったんです。それが原因とも思えないけど、今日子はそう思っていたんでしょうね」

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