石丸伸二氏「トークの本質をよく理解している」「好感度は上がった」…テレビマンが“民放出演行脚”を分析
爆笑問題を翻弄する話術
「大野さんの発言でスタジオの空気は一変して友好的になりました。かつて都知事だった舛添要一さんと兵庫県の明石市長だった泉房穂さんも出演していましたが、地方自治という縁で2人とも石丸さんにシンパシーを感じているように見えました。舛添さんは石丸さんの街頭演説が効果的だったと評価しましたし、泉さんとは給食の無償化を巡って大舌戦が繰り広げられましたが、あれで番組が盛り上がったのは言うまでもありません。さらに人口減少の問題を巡っては、『一夫多妻制を導入するか、遺伝子的に子供を生み出す』と発言し、スタジオはどよめきました。SNSでは、この発言を切り取って炎上しかかりましたが、石丸さんの圧倒的な話術を印象づけることに成功し、『政治のエンタメ化が必要』との結論には頷く共演者が多かったように思いました」(同・プロデューサー)
14日の日曜、石丸氏は午前10時から生放送の「サンデー・ジャポン」(TBS系列)に出演した。
「印象に残ったのは、爆笑問題の印象について質問され、『子供の頃からずっと拝見していて、ウケているのかスベっているのか分からない絶妙なバランスが好き』と答えたことです。本当に上手な返しで、手練れの太田光さんも『それ愚問ですよ』と返すのが精一杯でした」(同・プロデューサー)
「今、最も出演を依頼したい男」
出演者の一人だった岸博幸氏はXで《彼はしっかりした真っ当な人間と思った》と絶賛して話題を呼んだ。
「石丸さんの“テレビ行脚”を総括すると、京大卒らしい地頭のよさ、巧みな弁舌、そして『テレビのトークはプロレス』と理解した上での発言が視聴者に届き、好感度が急上昇したのだと思います。特に舛添さんと泉さんという東大卒の2人が石丸さんを評価したことは象徴的だったと言えます。テレビに出演し始めた頃の橋下徹さんを思いだしたのは、『行列のできる法律相談所』(日テレ)で北村晴男弁護士とのバトルが似たようなプロレスだったからでしょう」(同・プロデューサー)
元乃木坂46の山崎もサンジャポの放送内容に反応。太田と石丸氏の会話に注目し、《太田さんの質問に対する答えは返ってきていないのでは》とXに投稿したのだが、反論が殺到して炎上してしまった。プロデューサー氏は「世論の風向きは急に変わるという怖さを見せつけました」と言う。
「民放キー局のプロデューサーは、今後の石丸さんの政治的な動向には、あまり関心がありません。一方、視聴率の取れるタレントとしては目の離せない存在になりました。今、最も出演を依頼したい男性と言っていいでしょう。テレビ的なトークが上手で、共演者や視聴者を引き込む力があります。簡単明瞭で回りくどくない。『言って委員会』で見せた泉さんとの応酬も、非常にテレビ的に見事でした。こうなると、やはり開票特番での態度は計算ずくだったのでしょう。好感度をアップさせるための布石だったと見ています」(同・プロデューサー)