生活保護が高齢外国人に渡ることに… 年金制度を食い散らかす外国人の「脱退一時金」とは

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 日本人には加入しない自由も脱退する自由も与えられていない「年金」。しかし、そんな年金には「定期預金」のごとく解約できる抜け穴が存在した。外国人労働者にだけ認められた「脱退一時金」の制度。この“天下のザル法”の異様な運用実態をご覧に入れよう。

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 日本の年金制度は「賦課方式」が採用されている。

 年金を所管する厚生労働省の言を借りれば、賦課方式とは「年金支給のために必要な財源を、その時々の保険料収入から用意する方式」のこと。つまり「現役世代から年金受給世代への仕送りに近いイメージ」と説明は続く。

 年金制度に対して不公平感を抱く人の大半がやり玉に挙げるのが、この賦課方式であろう。少子高齢化によって、年金制度で養うべき高齢者の数は増え続けるのに、その財源を負担する現役世代は減る一方。1961年に国民皆年金制度が始まった当初は現役世代約9人で1人の高齢者を支えていたのが、一昨年には20~64歳の現役世代2人で高齢者1人を支える構図にまで高齢化が進んだという。これでは「年金制度は不公平だ」という主張もあながち無理筋とはいえまい。

 とはいえ国民皆年金の名のもと、われわれ国民には年金制度からの脱退の自由は認められていない。従って、毎月の収入から有無を言わさず取り立てられる年金保険料の納付から逃れるすべはないし、制度に異を唱えたところで自分が納めてきた保険料を返金してもらうことなど夢のまた夢……のハズだった。

世代間対立とは比べものにならない「不公平」

 これまで年金制度の「不公平」といえば、高齢者と現役世代という対立構造ばかりがクローズアップされてきた。だが、この制度には世代間対立とは比べものにならない「不公平」が存在したのだ。それが、日本で働く外国人労働者を取り巻く年金問題、とりわけ彼らが手にできる「脱退一時金」の問題である。

 日本人には耳慣れない脱退一時金とは一体、どのような制度なのか。この問題に取り組む福岡県行橋市の小坪慎也市議の解説に耳を傾けてみよう。

「脱退一時金とは、文字通り、年金制度から『脱退』する際に受け取れる『一時金』のことを指します。外国人労働者の場合は日本での就労を終えて帰国する際に、年金制度から脱退し、それまで納めてきた年金保険料の一部をまとまった額の一時金として受け取ることができるのです」

返戻金の額は?

 日本人には認められていない「脱退」と「解約金の受け取り」が外国人には認められている――。皆年金や賦課方式に縛られる日本人にはにわかに信じられない事態である。

 しかも、この返戻金の額はなかなかのもの。例えば、特定技能制度によって来日し、日本の飲食店に雇用された外国人が月額22万円程度の給料で5年間働いた場合、脱退一時金の申請で支給される金額はおよそ120万円にも上る。また、留学生として日本の大学を卒業し、日本企業で5年間就労して帰国した場合、月の給料が28万円で30万円の賞与を年2回受け取っていたと仮定すると、脱退一時金は155万円程度にもなるという。視点を変えれば、同じ待遇で働いている日本人にも「年金制度からの脱退」が認められれば、このような「解約金」を受け取ることができるのである。

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