「パリ五輪っていつ始まるんだっけ?」…開幕するまで日本人の“オリンピック熱”が盛り上がらない納得の理由

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チョー気持ちいい!

 翌日のスポーツ紙の一面はその選手に関するものだし、X(旧ツイッター)でも、トレンドワードは「#金メダル」やその選手の名前になることだろう。多くの人がメダル獲得を喜び、祝杯をあげる様子を公開する。

 五輪とは毎回そのようなものなのだ。ここで、個人的に覚えている「とにかく社会・ネットが盛り上がったメダル」を振り返る。

・具志堅幸司・森末慎二、体操で連続金メダル(1984・ロサンゼルス)
・平泳ぎ岩崎恭子「今まで生きてきた中で一番幸せです」(1992・バルセロナ)
・柔道古賀稔彦、大ケガをしているのに金メダル。(1992・バルセロナ)
・ふなきー、ふなきーと叫ぶ原田雅彦(1998・長野)
・マラソン女子、Qちゃんこと高橋尚子、金メダルを取った後「とてもたのしい42kmでした」発言(2000・シドニー)
・柔道井上康生・金メダル獲得後、表彰台の上で亡き母の遺影を掲げる(2000・シドニー)
・マラソン女子、野口みずきが圧勝し、ゴールの瞬間右手を上げ満面の笑顔(2004・アテネ)
・北島康介「チョー気持ちいい!」と金メダル獲得後インタビューで発言(2008・北京)

4年に1度のお祭り騒ぎ

 これ以外にもたくさんあるため、ここでやめるが、とにかく五輪で日本人選手がメダルを取ると国内は歓喜に湧き、自動的に盛り上がるのである。今現在「パリ五輪、盛り上がってないね……」と嘆く向きはあるが、上記「49個のメダル」という予想通りになれば、かなり盛り上がるだろう。この手の予想は案外当たるものである。

 仮に当たらず、30個台だったとしても御の字。何しろ1988年のソウル五輪は惨憺たるものだった。金4、銀3、銅7の合計14個。しかも、お家芸の柔道では最終日の95kg超級の斉藤仁が金メダルを取るまで誰も取れない事態になった。

 こうした悲喜こもごもある五輪だが、4年に1度のお祭り騒ぎとして皆で楽しみましょー! 幸いなことに、我々は今回、東京五輪の時に発生したような、裏金やら工事費の増加やらコロナ対策やら面倒なことは開催国のフランスに押し付けられるので、何も心配しなくていい。

 あぁ~、今後一切オリンピックなんて日本でやってもらいたくねぇ~! 海外諸国が手を挙げて、日本は選手団を派遣するだけでいい。正直東京五輪のあのゴタゴタはもう見たくもない。だから頼むから札幌市は冬季五輪の開催、金輪際諦めてもらえませんか?

中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう)
1973(昭和48)年東京都生まれ、佐賀県唐津市在住のネットニュース編集者。博報堂で企業のPR業務に携わり、2001年に退社。雑誌のライター、「TVブロス」編集者等を経て現在に至る。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』『ネットのバカ』『ウェブでメシを食うということ』『よくも言ってくれたよな』。最新刊は『過剰反応な人たち』(新潮新書)。

デイリー新潮編集部

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