朝日新聞の美味しいビジネス インティマシー・コーディネーター問題で注目の「先生の白い嘘」に出資…紙面の主張が全く制作現場に反映されていない
ネットメディアのENCOUNTが7月4日、「主演女優オファーに難航、『10人くらい』に断られ…約10年かかった男女の性の格差を描いた『先生の白い嘘』」との記事(註)を配信すると、たちまち大きな反響が起きた。監督の三木康一郎氏が「インティマシーコーディネーターの起用要請を断った」と明かしたからだ。
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【画像10枚】「これでインティマシー・コーディネーター無しってアリなの…?」 奈緒のイメージを覆す過激な出演シーン
映画「先生の白い嘘」は7月5日から全国ロードショーが始まっている。主演はNHK連続テレビ小説「半分、青い。」で注目された奈緒。鳥飼茜氏の同名コミック(モーニングKC)が原作で、三木監督は「弱虫ペダル」などの作品で知られている。
そしてインティマシーコーディネーターとは、映画やテレビの撮影、舞台上演などの制作に関与する専門職だ。一般的に俳優が身体的な接触を行ったり、服を脱いだりなどする場面で、演出サイドと俳優サイドの意向を調整する。担当記者が言う。
「三木監督は約10年前から脚本を書き始め、同時にキャスティングもスタートしたそうです。ENCOUNTの記事では《10人くらいに主演をお願いしましたが、ことごとく断られました》と振り返っています。最終的に奈緒さんが快諾したのですが、その際にインティマシー・コーディネーターの起用を要請されたそうです。性が重要なテーマなので当然だと思うのですが、三木監督は拒否したと明言しました。理由について《間に人を入れたくなかったんです》と説明しています」
記事が配信されると、あっという間に拡散し、三木監督には批判が殺到。いわゆる炎上状態となった。そして翌5日、公開初日の舞台あいさつが東京都内で行われた。
映画製作に熱心な朝日新聞
この様子を朝日新聞DIGITALが配信した「映画『先生の白い噓』監督らが謝罪 インタビューの発言巡り批判」との記事から見てみたい。
《この日の舞台あいさつの冒頭、稲垣竜一郎プロデューサーが「製作陣一同、配慮が十分でなかったことに対し、深く反省をしております」などと謝罪。三木監督は「私の不用意な発言により、みなさまに多大なるご迷惑、ご心配をおかけしたことをこの場を借りて謝罪したい」と頭を下げた》
そして、この記事の末尾は、次のような一文で終わっている。《製作委員会には松竹と朝日新聞社が入っている》──。要するに、朝日新聞は映画「先生の白い嘘」に出資しているのだ。実は近年、朝日新聞は映画製作を盛んに行っている。
デイリー新潮は2021年9月、「朝日新聞が映画製作に傾倒 ジャンルや公開規模に一貫性がない、との声も」との記事を配信した。朝日新聞の幹部が取材に応じており、そのコメントを再掲する。
《「映画製作は出資額に応じた配当に加えて、宣伝会社が朝日新聞に出稿する広告による収入も得られます。長引く部数の低迷を受けて、新たな収入源の確保が課題の中、手堅くリターンが見込める事業と踏んでいるんですよ」(朝日の経営幹部)》
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