「石丸さんは“SNS選挙第一号”」「都市部の男性が支持」 石丸信者の正体とは

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「ひろゆき氏やホリエモンの動画を視聴するのが好きな人たち」

 立憲民主党の看板議員だった彼女を完膚なきまでにたたきつぶした石丸氏は、街頭演説を重ねて無党派層を取り込み、ふたを開けてみれば蓮舫氏と37万票差で堂々の2位。市長時代には議会やメディアと対峙する様子が、非公式の“切り抜き動画”によって喝采を博し、ネット上でファンを増殖させてきた人物である。

 対立した市議とは訴訟に発展するなど、地元ではしこりを残しながらも「改革派」として都知事選に参戦。驚異的な健闘で、がぜん注目が集まったわけだが、

「石丸さんを支持しているのは、ユーチューブでひろゆき氏やホリエモンの動画を視聴するのが好きな人たちだと思われます」

 とは、コラムニストの辛酸なめ子氏である。

「言い換えれば、頭の回転が速くて相手を言い負かしてくれそうな人を好む層。このような視聴者には、変わらない現状に対して頭脳明晰な異端児がズバッと物申すというストーリーが好まれます。同じようなスタイルの石丸さんならば政治を変えてくれるかも、と期待して投票したのでしょう」

パワハラ上司のような威圧感

 各メディアによる年代別の投票先調査では、10~20代においては石丸氏が最多で、一部では30代も小池氏や蓮舫氏を抑えてトップという結果が出ている。が、

「開票後の本人のインタビューでは、質問に対して否定から入り、相手を小馬鹿にして萎縮させるような話し方で、まるでパワハラ上司みたいな威圧感がありました。違和感を覚えた人も多く、ネットでは『石丸構文』なる造語まで登場しました。今後も目が離せないキャラです」(同)

 信州大学特任教授の山口真由氏が言う。

「石丸さんは“SNS選挙第一号”だといえます。これまでネットを中心とした選挙戦といえば山田太郎参院議員やガーシー元議員が挙げられますが、いずれも政治の“主流”に躍り出る気配は一切なかった。ところが今回は都心部(中央・港区)や世田谷区に住む男性で、石丸さんに投票した人が多い。つまりは経済を重視する人たちに支持されているわけです」

 あるいは先々“主流”になる可能性も無きにしも非ず、というのだが、

「2013年にネット選挙が解禁され、デメリットとしてポピュリズムに傾く恐れが指摘されてきましたが、石丸さんにもその匂いを感じます。私も彼の演説では“チキンの食べ方を上司に褒められた”というエピソードしか頭に残りませんでしたが、それが世間では受けているのでしょう」

 後編「石丸伸二氏の国政進出、広島県知事選出馬の可能性は? 安芸高田市・“反石丸”の新市長は石丸氏に苦言」では、石丸氏の今後について専門家の見立てを紹介している。

週刊新潮 2024年7月18日号掲載

特集「“SNSの病理”が生んだ“偶像” 「蓮舫」を“終わった人”にした「石丸伸二」の正体」より

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