裏金で香典配布「堀井学」捜査の裏事情 特捜部が立件の線引き「3000万円ルール」を無視した背景と「急に議員が秘書に優しくなった」の声

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「裏金事件の第二幕が開けたのか?」と、一部の自民党議員は戦々恐々としているという。衆院議員の堀井学氏(自民党を離党)に対する東京地検特捜部の捜査の手が「他にも伸びる」可能性が取り沙汰されているためだ。同時に、自民党内では奇妙な“対抗策”もあらわれ始めているとかで……。

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 堀井氏にかけられた嫌疑は、選挙区内(北海道9区)の複数の有権者の葬儀に際し、「香典」として1~数万円を秘書などに持参させた公職選挙法違反だ。7月18日に議員事務所など関係先を一斉捜索した特捜部は堀井氏への任意聴取も予定しており、捜査はこれから本格化すると見られている。

 全国紙社会部記者が話す。

「そもそもの始まりは、特捜部が安倍派などの事務所を家宅捜索し、自民党派閥の裏金疑惑にメスを入れた昨年12月に遡ります。一時は“大疑獄”に発展する可能性も指摘されましたが、フタを開けてみれば、国会議員で略式も含め起訴されたのは安倍派の池田佳隆・大野泰正・谷川弥一氏の3人のみ。この時、政治資金収支報告書に記載しなかったパーティ収入の還流額が3000万円以上か否かが“立件の線引き”になったと伝えられました」

 裏金捜査の過程で、堀井氏も安倍派に所属していた5年間で計2196万円の還流を受け、収支報告書へ未記載だったことが発覚。しかし堀井氏は議員辞職も離党も否定し、1年間の党役職停止処分で済んだ経緯がある。

「検察の処分を不服とした大学教授らが二階俊博・元幹事長や岸田文雄首相など派閥幹部ら16人を告発しましたが、検察は今年7月に不起訴処分を発表。この間、特捜部には『金額の多寡で立件の可否を決めるのでなく、使途を調べた上で判断するべきだ』といった批判の声が内外から寄せられていた」(同)

秘書が供述

 今回、その批判にようやく応えた形になるが、なぜ堀井氏がターゲットに浮上したのか。

「以前から堀井氏と複数の秘書との確執が囁かれるなど、事務所内部がゴタゴタしていたのは有名だった。そのため特捜部は『供述が得られやすい』といった点も考慮して捜査に着手したと言われている。実際、一部の堀井氏の事務所スタッフは特捜部の聴取に協力的で、強制捜査へ踏み切る決め手になった“悪質性”についても、すでに十分な証言を得ているとか。事務所内に保管されていた裏金が香典に使われた疑いや、秘書が香典の中止を進言したにもかかわらず、堀井氏が『いまさら止めることなんてできない』と突っぱねたやり取りなどもすべて“内部告発”によって明らかになったものです」(同)

 堀井氏の人望のなさが招いた「自業自得の結果」といえばソレまでだが、一方で気がかりな点も浮上しているという。

「堀井氏が秘書を通じて渡した香典の総額は数十万円とされ、21年に香典など計約80万円を選挙区内の有権者らに“寄附”したとして、罰金40万円(公民権停止3年)の略式命令を受けた菅原一秀・元経済産業相のケースを下回る可能性も指摘されている。額の少なさから、『これで終わりでなく、他にも捜査の手が伸びるのでは?』といった声が一部の自民党議員から漏れています」(同)

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